イチローのメジャー球宴出場はあるのか?
イチローは、日米通算ながらピート・ローズが持つ4256安打の大リーグ通算安打記録を更新したが、前後して、「イチローに投票しよう」(6月14日、FOXスポーツ)、「イチローは今年のオールスターにふさわしい」(6月17日、シアトル・タイムズ紙)、「3000本まであと12本。イチローがオールスターに名乗り」(6月29日、サン・センチネル紙)といった記事を目にするようになった。 今年のイチローなら、7月12日(現地時間)サンディエゴのペトコパークで行われるオールスターゲームに出てもおかしくないというわけだが、はたして、どの程度現実味があるのか。 6月27日、最新のファン投票の結果が発表された。 ナ・リーグ外野手の状況は以下の通り。 1. デクスター・ファウラー(カブス) 2,320,877 2. ブライス・ハーパー(ナショナルズ) 2,253,083 3. ヨエニス・セスペデス(メッツ) 2,249,489 4. ジェイソン・ヘイワード(カブス) 1,485,679 5. ライアン・ブラウン(ブルーワーズ)1,327,209 6. カルロス・ゴンザレス(ロッキーズ) 1,155,982 100万票を超えているのはトップ6選手のみ。この6人の中からスタメン出場する3人が選ばれるのはほぼ間違いないが、1~3位と4~6位の間には大きな差があるため、このまま上位3人ーーファウラー、ハーパー、セスペデスが選ばれる見通し。今年は7月5日にスタメン選手が発表されるが、それまでに順位の変動があるとしたら、上位3人が入れ替わるぐらいだろう。 イチローはといえば、大リーグの広報から発表されている15位までには入っておらず、圏外。イチローがファン投票で選ばれる可能性は、30日午後11時59分(米東部時間)の締め切り前までに100万票単位の組織票でもあったなら話は別だが、極めて難しい状況だ。 ファン投票に漏れた場合、選手投票という受け皿がある。ここでも外野手は3人選ばれる。 この選手投票は例年、その年の成績が重視される傾向が強い。となるとナ・リーグ外野手の候補としては、打率.299、10本塁打、44打点のグレゴリー・ポランコ、打率.331、6本塁打、30打点のスターリン・マルテ(ともにパイレーツ)。打率.314、16本塁打、44打点のマーセル・オズナ、打率.311、6本塁打、38打点のクリスチャン・イエリッチ(ともにマーリンズ)。打率.303、8本塁打、28打点のオドュベル・ヘレラ(フィリーズ)。打率は低いもののすでに22本塁打を放っているアダム・デュバル(レッズ)。打率.329、18本塁打、51打点のカルロス・ゴンザレス(ロッキーズ)らが有力で、スタメンの3人とも重複しないので、彼らの中から選ばれる可能性が高い。米メディアの間では、ポランコ、ヘレラ、ゴンザレスの3人が有力視されている 。 イチローも.342という打率を残しているが、規定打席に達していないだけに、やや立場が弱い。ファン投票、選手投票でも選ばれなかった場合、監督推薦という道が残されている。