自然災害の多いニッポンだけにあれば無敵! いまキャンピングカーは「災害時の活用」が注目されていた
キャンピングカーを災害時に有効活用
昨今のキャンプブームとともに、人気が急上昇中のキャンピングカー。2024年7月21日、22日の2日間、東京ビッグサイトで開催された「東京キャンピングカーショー2024」では、出展社数が100社、展示車両は220台を超え、延べ来場者数は1万7197人とたいへん盛況であったことからも、世間の注目度の高さが窺える。とくに目についたのは小型トラックをベースにした車両で、シェル(居住部分)の豪華さは一流ホテル並みであった。 【画像】車中泊を95連泊して日本1周をした車中泊女子の画像を見る 本来、キャンピングカーはレジャー車両として使われるものだが、それとは別の活用法が提唱されている。それは、災害時の支援対策としての利用だ。同展示会のシンポジウムでも、「キャンピングカーと防災」というテーマで活発な意見が交換された。この考え方は以前からも提案されていたが、広く浸透したのは2024年元日に起きた能登半島地震であろう。 このとき、一般社団法人日本RV協会が、20台のキャンピングカーを珠洲市と輪島市に派遣して、被災者支援にひと役買ったのである。これまでも、同協会を始めとしてNPOや事業者などが、東日本大震災、熊本地震や各地の豪雨災害などの際に、キャンピングカーを派遣して活用し、災害対応、被災者支援のノウハウを蓄積してきている。 キャンピングカーが災害時に有効とされるのは、以下のような理由があるからだ。 ・プライベート空間が確保できてストレスを軽減できる ・足を延ばしてゆっくりと寝られるので疲労を軽減できる ・ペットが避難所に入れない場合でも一緒にいられる ・電気、ガス、水、トイレなどのインフラがある ・危険があれば自力で移動が可能 もちろん、これは恒久的なものではないし、すべての被災者を支援できるわけでもない。しかし、運用の仕方を工夫することで、必要としている人に必要なサービスを、提供する一助になることは間違いないだろう。
場所・電源・水を確保することができる
2019~2020年にかけて、同協会はWEBやイベント会場でアンケートを実施した。そのなかで、「キャンピングカーは災害時に活躍すると思うか」という問いに、97.5%の人が「はい」と答えている。また、「防災のためにキャンピングカーを購入したいと考えたことはあるか」という問いには、77.3%の人が「はい」と回答した。 また、「キャンピングカーがあれば災害時に確保できると感じるもの」に対する回答として、場所(34.9%)、電源(27.9%)、水(14.8%)の3つが上位に挙げられている。このことからも、キャンピングカーが単なるレジャー用車両ではなく、防災対策品のひとつとして意識され始めていることが明らかだといえよう。 キャンピングカーの装備のなかでも、とくに防災に役立つものとして、以下のようなことが挙げられる。 ・冷蔵庫:食料品の保管、補完用としてとしてポータブル冷蔵庫があると便利 ・トイレ:予備として携帯トイレも用意 ・外部収納庫:ゴミなど臭いのするものを収納 ・調理設備:電気式やプロパンガス式の設備、予備としてカセットコンロ&カセットボンベがあると便利 ・サブバッテリー:大容量蓄電池やガソリン発電機があると便利 ・ ソーラー発電パネル:天井据え付け型、サブバッテリーを充電 ・シャワー:飲料不可の水でも使用可能 これらの装備と併せて防災グッズ、非常食、非常用飲料水などを搭載しておけば、万が一の際にも十分活用することができるのだ。また、自治体とキャンピングカーを扱う事業者が、災害時の車両提供協定を結ぶなどといった動きも広まってきている。今後はさらにキャンピングカーの活躍範囲が広がっていきそうだ。
トラック魂編集部