損保協の城田宏明会長、「テリトリー制」廃止の考え示す 自動車ディーラーに理解求める
日本損害保険協会の城田宏明会長(東京海上日動火災保険社長)は12月19日の定例会見で、業界の慣習であるいわゆる「テリトリー制」については廃止する考えを示した。旧ビッグモーター問題をうけて保険業法等の改正を議論していた金融審議会(首相の諮問機関)ワーキンググループ(WG)の報告書案で、今後はテリトリー制が事実上できなくなることが固まったためだ。 いわゆるテリトリー制は、自動車ディーラーなどの大規模乗合保険代理店が、独自の理由で選定した損保会社の商品を推奨するもの。推奨損保に選定されるために損保側が代理店に過度な便宜供与をして、保険契約者の利益を後回しにしていたなどのケースがあった。 城田会長は9月の会見では、テリトリー制について一概に否定されるものではないとしていた。損保をコントロールする手段として慣習維持を希望するディーラーも多いとされるが、「もうルール上、全ての損保はできなくなる」として、ディーラーなどへ丁寧に説明し、理解を求めていくという。