「折れる」ポーズでココロとカラダのこわばりをほぐす【Dr.高尾美穂のカラダとココロの整え方】
何かにこだわりすぎているときって、ココロだけじゃなく、カラダもこわばっていることが多いんです。呼吸を深くして、ストレッチしませんか。
〈折れる〉“折れたって自尊心は傷つかない。同意するという選択肢なんです。”
人間関係でも仕事でも、こじらせると困りますよね。前にも進めない、後ろにも引けない。このままではいけないとわかっているけれど、打開のために自分が折れるなんて納得いかない。自尊心が傷つくように感じる人もいるかもしれませんね。 実は私は、折れてばかりです。折れるって、気持ちがいいものなんです。 私にとって何より大事なのは、物事がスムーズに進むこと。目的にスピーディに到達すること。そのためには、事態が進展しないことのほうが困るからなのです。私の感覚では、「折れる」のではなく、「同意」しているに近いかも。周りがハッピーならOK、という選択肢です。 ただし、折れたとハッキリさせておくこと。ここは私が折れたからね、と自他ともに認めた上で次に進む。 何もかも譲れない人は、生きづらい。 カラダのしくみを考えるとわかるのではないでしょうか。肘や膝は折れ曲がるようにできているけれど、骨自体をムリに曲げようとしたらポキッと折れてしまうでしょう? 折っていけないのは自分の芯の部分。骨、ですね。譲歩できるところは肘や膝の部分。さっさと折れてしまうのもありです。英雄だって、手脚を折って仰向けになる。カラダにもココロにもよいストレッチになりますよ。
仰向けの英雄のポーズ
仰向けに横たわり、片方ずつ脚を曲げてかかとをお尻に近づけます。難しければ、膝を外側に開きます(膝に痛みのある場合はやめましょう)。このとき、腰を浮かさないように注意。腕を頭の上で組み、深い呼吸で8秒キープ。1日1回。
高尾美穂 さん たかお・みほ 産婦人科医 イーク表参道副院長、婦人科スポーツドクターとして、働く女性をサポート。最新刊に『更年期そしてなりたい自分に近づく方法』『教えて美穂先生! 50歳からのこころとからだ』がある。
撮影・森山祐子 イラストレーション・SHOKO TAKAHASHI 構成&文・越川典子
『クロワッサン』1120号より
クロワッサン オンライン