「吉沢亮の“泥酔騒動”はどれくらい問題?」CM契約解除のアサヒビールに「他社は続くべきではない」理由
■草彅剛は依然として誠実なキャラクターを維持 なお、酒に酔ってのタレントの不祥事として思い起こされるのは、元SMAPの草彅剛さんが、都内の公園で酒に酔って全裸で騒いで逮捕された事件だろう。 これは2009年の出来事だった。当時としても大きな問題となり、広告や番組も降板となり、草彅さんは一定期間の活動自粛に追い込まれた。 一方で、この事件が草彅さんのキャリアに深刻な禍根を残したともいえない。草彅さんは、依然として誠実なキャラクターを維持しながら、芸能活動を行っている。アルコールの広告ではないが、アルコールも扱っているサントリーの企業広告、「GREEN DA・KA・RA (グリーンダカラ)」の広告にも出演している。
「酒で失敗はしたが、才能もあるし、いい人だ」という世の中のイメージは崩れなかったのだ。 人々の心情はさておき、アルコールを扱っている企業としては、いずれにしても厳しい対応を取らざるをえない――というのが現実だ。 「お酒に酔って不適切な行動をする」ということは、アルコールを販売する企業としても防止しなければならないし、企業や商品の「顔」ともいえる広告起用タレントがそのような行動を取ることは、とうてい許容しがたいことだ。
アサヒビールの表明内容はかなり厳しいように見受けられるが、企業としての対応は完全に適切なものであるし、時代の潮流も鑑みて、あえて厳しい表明を行ったのではないかと推察される。 ■他社はアサヒビールに続くか タレントの不祥事ではないが、サントリー「角ハイボール」の広告タレントは、小雪さん、菅野美穂さんと経て、現在、井川遥さんが3代目をつとめているが、前者の2人は、妊娠によって降板となっている。2019年のキリンビール「本麒麟」の滝川クリステルさんの降板も同様の理由による。
広告起用時は妊娠していなくても、「妊婦のアルコール摂取を促進するような広告は避けるべき」という判断が下されている。 アサヒビールに限らず、アルコールを販売する企業は、あらゆる側面から不適切な飲酒、あるいは飲酒に伴う不適切な行為を回避することが求められる。その流れに照らせば、吉沢さん降板は不可避であったし、既定路線でもあったといえるだろう。 では、他社の広告、あるいはメディアへの出演はどうなるのだろうか?