「吉沢亮の“泥酔騒動”はどれくらい問題?」CM契約解除のアサヒビールに「他社は続くべきではない」理由
また、2024年にはお笑いコンビ「ウエストランド」の河本太さんが酒に酔ってタクシー運転手に暴行を働いている。河本さんは、現在も芸能活動は行っているが、活動範囲は、以前と比べて大きく制限されてしまっている。 このたびの吉沢さんのケースは、「飲酒によるトラブル」という点では、上記の2人と共通はしている。しかしながら、起こした問題の大きさ、深刻さという点では異なっている。 むしろ今回の降板については、4の要素が大きかったといえるだろう。
近年、企業のコンプライアンス基準が厳しくなっており、起用するタレントの行動に関しても厳しい基準が求められるようになった。特に、タバコやアルコールに関する規制は年々強まっている傾向がある。 ただし、今回のアサヒビールの吉沢さん取り下げは、数年前であったとしても、同じ判断が下されたはずだ。 ■コンプライアンスと“本音”のジレンマ アルコール、すなわち酒類の広告は、独自の規制が設けられており、規制は年々強まってきている。それだけでなく、近年では世の中に対する意識啓発の役割も求められるようになっている。
昨年に限っても、ダンサーのRIEHATAさんが未成年時代に飲酒していた可能性があるとのことで、サッポロビール黒ラベルのCMを降板になっている。 また、サントリーのタコハイの蒲田駅でのキャンペーン「京急 蒲タコハイ駅」の看板の一部が、NPO法人などから、「公共性が高い場でのアルコール広告が不適切である」という趣旨の批判を受けて撤去となっている。 上記に関してはSNS上では「厳しすぎる」という意見も少なからず見られた。日本はもともと、飲酒や酒に酔っての行動については比較的寛容だった。
以前は、宴会の席は「無礼講」と言われ、礼儀作法にとらわれない行動が容認されていた。問題となるような言動があっても、「酒の席でのことだから」ということで、かなりの程度は許容されてきた。 現代においては、「酒に酔っていた」という言い訳は一切通用しなくなっているし、そうした考え方が「グローバルスタンダード」となっているのもまた事実だ。しかしながら、多くの人々には「そこまで厳しくしなくてもよいのでは?」という心情も、少なからず残されているように見受けられる。