なぜ? 青森・六戸町 “7人死傷交差点” すぐに信号機を設置できないのか
青森朝日放送
青森県六戸町の交差点で9月、一時不停止が原因で7人が死傷した事故。町は信号機の設置を要望をしていましたが、警察は「信号機はすぐには設置できない」としました。その理由とは。 六戸町犬落瀬の十字路交差点で9月、デイサービスの送迎車と軽トラックが出合い頭に衝突し、7人が死傷しました。 事故の原因は、軽トラックの「一時不停止」。警察によりますと、この交差点では直近3年間で14件の人身事故が起きていて、実に12件の原因が「一時不停止」です。 【福代隼士アナウンサー】 「交差点の前はゆるやかな坂道になっていて、スピードも出やすい印象なんですが、2つの止まれの標識と赤色灯で、止まれがしっかりと強調されているような感じがします」 警察や町はこの事故を受けて、「止まれ」の標識を追加したり赤色灯を設置したりしましたが、その後も一時不停止による人身事故が1件発生しています。 信号機の設置は住民たちの願い。信号機設置の要望を受けていた十和田警察署の高橋肇署長が11月22日、現時点の見解を伝えるため、六戸町役場を訪れました。 【十和田警察署 高橋肇署長】 (Q.信号機の設置)「今すぐにという事ではないということでございます。色々クリアしなければならない課題がいっぱいありますので、そこをこれから六戸町と一緒に話をさせていただいて、協力してクリアしていきたいという話をしてまいりました」 【六戸町 佐藤陽大町長】 「良いのか悪いのかというと、ちょっと残念な気持ちのほうが強いという形にはなりますけれども、全くゼロになくなったわけではないので、今後良い方向に向かえるようにお互いが協議してまいりたいと思っております」 青森県警察本部交通規制課に、要望された信号機がすぐに設置できない理由を聞くと、大きく2つの理由があるといいます。 1つ目は「一時停止の標示場所」です。 現在、一時停止は交差点の南北に表示されています。本来、一時停止の標示は、交通量が少なく、道路の幅が狭い方に設置されるものです。 しかし、警察の調べではこの交差点では、周辺環境の変化によって、一時停止のある南北に延びる道路の方が、倍以上交通量が多く、幅が広いことが明らかになりました。 そのため、本来設置されるべき東西側に一時停止の標示をして、車の通行状況を確認する必要があります。 もう一つは「段差」です。 南北に伸びる道路が稲生川にかかっています。この部分の道路に段差が生じているため、信号機を設置した場合、新たな事故の発生が予想されることから、この段差の解消が必要になります。 対応するのは、道路管理者である六戸町。これが実現できれば、環境的には信号機の設置が可能になります。 それまでの応急措置として、警察は2024年度中に、東西に延びる道路にも一時停止の標示をする方針です。 【六戸町 佐藤陽大町長】 「町の予算では、あそこを改良するとたぶん1億近い金額に単費で形状を変えるとなるとなかなか厳しい。簡単にやりますと言えることでもないので、それは重々協議しなければならないなと」