助演男優賞の浅野忠信、24年前の「代表作」が全米で再注目 授賞式でテロップ紹介【第82回ゴールデン・グローブ賞】
ドラマ「SHOGUN 将軍」に樫木藪重役で出演した俳優の浅野忠信が現地時間5日、第82回ゴールデン・グローブ賞で日本人初となる助演男優賞(ドラマシリーズ部門)を受賞した。そんな中、授賞式で浅野の代表作として紹介されたとある映画が、全米映画ファンの間で再び注目を浴びている。 【画像】着物姿が美しい!浅野忠信の妻・中田クルミ その映画とは、24年前に公開された『殺し屋1』(2001)。海外では『Ichi the Killer』と表記される。大森南朋と浅野が主演を務めた本作は、「週刊ヤングサンデー」で連載された山本英夫の人気コミックを、『クローズZERO』『十三人の刺客』の三池崇史監督が実写化したバイオレンス・アクション。新宿歌舞伎町を舞台に、気弱な殺し屋・イチ(大森)と残忍なヤクザの若頭との死闘を過激な描写満載で活写した。映画はR-18指定を受けており、あまりの残虐さに、海外では一部シーンをカットしたり、上映そのものが禁止になった国もある。
浅野が演じたのは、武闘派暴力団「安生組」の若頭・垣原雅雄。金髪&金眉に多数のピアス、顔面の大きな傷に裂けた口という強烈なビジュアルで、常軌を逸した狂気のキャラクターを、浅野が特殊メイクを施して怪演した。海外では、垣原の顔をタトゥーの柄として入れるファンも多く、そのクオリティーの高さに浅野本人もInstagramで反応するほどだ。
ゴールデン・グローブ賞の授賞式では、各部門で受賞した俳優の経歴やトリビアをテロップで紹介する演出が採用された。助演男優賞に輝いた浅野は、ハリウッドデビュー作である『マイティ・ソー』(2011)のほか、邦画の代表作として『殺し屋1』と『スワロウテイル』(1996)が取り上げられた。
浅野の受賞に歓喜する海外ファンも多く、「SHOGUN 将軍」ファンのみならず、『殺し屋1』時代から彼の活躍を知るコアな映画ファンも「『Ichi the Killer』の浅野が賞を獲った」「『Ichi the Killer』の頃から彼の演技が好きだった。真田広之や彼のようなベテラン日本人俳優が世界的な賞を受賞することは素晴らしいこと」といった祝福の言葉をSNSに投稿している。
ちなみに、Varietyでは授賞式のエグゼクティブ・プロデューサーを務めたグレン・ウェイスが演出にまつわる裏話を披露しており、テロップの内容についても言及している。グレンによると、テロップでトリビアを表示する演出は「授賞式の放送時間に影響を与えず、(役者の)経歴を追加する方法を模索する中で誕生した」といい、「自宅で視聴している人たちに、少しでも多くの情報を提供し、ノミネートされた人々についてもっと知ってもらう機会だと思いました」と語っている。(編集部・倉本拓弥)