【就職氷河期世代】貯蓄できてる?「二人以上世帯・単身世帯」の平均貯蓄額と中央値
就職氷河期世代として、家計の貯蓄がどれくらいあるのか、他の世帯と比べて自分はどうなのか、不安や疑問を感じている方も多いでしょう。 ◆【円グラフ】40歳代と50歳代の貯蓄額をチェック!貯蓄ゼロが多い?! 本記事では、二人以上世帯と単身世帯の平均貯蓄額や中央値をデータに基づいて詳しく解説します。 自身の状況を客観的に把握することで、今後の家計管理に役立つヒントが得られるでしょう。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
貯蓄の「平均額」と「中央値」の違い
「就職氷河期世代」とは、1990年代から2000年代の厳しい雇用環境の中で就職活動を行った世代を指します。この世代に該当する40歳代、50歳代の貯蓄状況を見てみましょう。 ●二人以上世帯の貯蓄状況 40歳代(二人以上世帯)平均貯蓄額と中央値 ・平均貯蓄額:889万円 ・中央値:220万円 50歳代(二人以上世帯)平均貯蓄額と中央値 ・平均貯蓄額:1147万円 ・中央値:300万円 貯蓄額を分析する際に重要なのが、「平均額」と「中央値」の違いを理解することです。 平均額は全体のデータを足して人数で割った値ですが、高額な貯蓄を持つ一部の世帯によって引き上げられることがあるため、実態を正確に反映しないことがあります。 そのため、平均額だけを見ると、実際の状況と乖離してしまう場合があるのです。 例えば上図のように、50歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額は1147万円とされていますが、中央値は300万円にとどまります。 つまり、半数以上の世帯が300万円以下の貯蓄しか持っていないにもかかわらず、富裕層の影響で平均額が高く見える現象が起きているのです。 そのため、貯蓄状況を正確に把握するには、平均額ではなく中央値を参考にすることが重要です。中央値を確認することで、より現実的な貯蓄状況を理解でき、資産形成に向けた具体的なステップを踏むことが可能になります。 50歳代二人以上世帯では共働きや住宅ローンの返済が終了した家庭が多いと考えられ、単身世帯に比べて貯蓄額が高い傾向があります。 収入が安定し、生活費の負担が軽減されたことにより、計画的に貯蓄を進めやすくなるのかもしれません。 ●単身世帯の貯蓄傾向 単身世帯では、特に中高年層において貯蓄額の差が大きく二極化している傾向が顕著です。 40歳代(単身世帯)平均貯蓄額と中央値 ・平均貯蓄額:559万円 ・中央値:47万円 50歳代(単身世帯)平均貯蓄額と中央値 ・平均貯蓄額:1391万円 ・中央値:80万円 上の図からもわかるように、金融広報中央委員会の調査によると、単身世帯の貯蓄額の中央値は40歳代で47万円、50歳代80万円となっており、貯蓄が全くない世帯が多くを占めています。 一方で平均貯蓄額は40歳代で約559万円、50歳代1391万円と大きな差が。この差は生活状況や収入の違いによって生まれていると考えられます。 若年層から中年層までの間、特に単身者は低収入や生活コストの高さに苦しんでおり、十分な貯蓄を行うことが難しい状況にあると想像できます。 50歳代の単身世帯では金融資産を全く保有していない人が約38%にも及び、貯蓄ゼロの世帯がかなり多いという現実が浮かび上がっています。 単身世帯の多くは老後資金の準備に苦労している現状があり、早期の資産形成や計画的な貯蓄が求められています。将来に備えた計画を立てるためには、現在の貯蓄状況を把握し、少額からでも積立や運用を始めることが重要なのです。