ストーカー被害を防ぐには? 識者に聞いたSNSの対処法と警察への相談方法
まず最初の段階で自ら相手の「ストーカーの芽」を摘む
小早川さんはまず最初の段階でストーカーの芽を摘むことが肝心だという。 「ツイッターやフェイスブックなど、その他大勢向けのツールなのに、相手が1対1の関係を求めてきたときは、『そういう内容のお約束はできないんですよ』『期待しないでください』『返信を欲しがるようならフォローしないでいいですよ』と、そういうお断りを、最初の段階でしてしまうのがいいです」 例えば、今回の事件でも、最初は「応援している」と書き込んでいた加害者が、今年に入ってから「たまには返信してほしい」と返信を欲しがる素振りを見せ始めた。そういう相手が一歩踏み出したタイミングが、ストーカーの芽を摘む、自分に対する執着の火を消す、最初の好機だという。だが、返答に困る内容の場合、多くの人はつい放置をしがちだ。小早川さんはすぐに返信するメリットをこう話す。 「無視をすれば、相手は自尊心が傷つきます。すぐに返信をすれば、あ、この人はすぐに返事をくれるだと、ある程度納得する部分があるんです」 「期待しないで」「勘違いしないで」など、断りの文句が並んでいたとしても、無視はされなかった、という扱われ方において、不満が残らない。あるいは、はっきり断ってもらったことで、ポジショニングがどこにあるのか気付いて落ち着くため、それ以降の批判や追いすがりは、かなり防げるという。
2度目で毅然と拒否の意思を伝える
しかし、ストーカー体質の相手の場合、一度断られたぐらいではめげず、「あの男は誰なんだ」と被害者を追い詰めるような、批判のような、嫉妬のような言葉が一方的に送られて来るようになりがちだという。 「受ける側は苦しいでしょうけど、スルーせずに、そこでもういっぺん、相手に返信して」と小早川さんはアドバイスする。ツイッターであれば、本人しか見えないような鍵付きにするといい。そして相手の自尊心を傷つけないようにして、「私にはあなたのこういうメッセージが大変苦しい、攻撃されていると感じる。なので、そういったメッセージはやめてください」と伝える。一旦、毅然と本人の口から「苦しい」「やめてくれ」と伝えることが大切」なのだという。 それでもやめてくれない人の場合、例えば今回の加害者のように物を贈ってきた場合は、どう対処したらいいのか。基本は物をもらうというのは危険なので、「お気持ちはうれしいけれども、受け取らないようにしているんですよね。ごめんなさい」って言って断ればいいという。だが相手も気配を察知して、断れないような渡し方をしてくる場合には、第三者を介して返すという方法がある。