糖尿病薬で“老化細胞の除去”に成功! フレイル改善・寿命延長効果もマウス実験で確認 順天堂大
研究グループが発表した内容への受け止めは?
編集部:順天堂大学らの研究グループによる発表への受け止めを教えてください。 中路先生:今回の研究結果で特記すべきは、既存の糖尿病治療薬を用いて老化細胞を除去する効果を基礎研究で証明したことであり、今後の人への応用研究で老化に関わる難治性疾患の治療薬や、安価で副作用の少ない老化予防の薬の開発につながる可能性がある点です。 臨床において、SGLT2阻害薬は血糖値の改善のみならず、心不全の治療・腎臓の保護効果・脂肪肝の改善などの様々なエビデンスが蓄積されてきており、大変興味深い薬剤であると考えます。この分野でのさらなる研究が期待されます。
まとめ
順天堂大学らの研究グループは、「糖尿病治療薬をマウスに投与したところ、加齢に伴って蓄積される老化細胞を除去する効果を発見した」と発表しました。これまでの老化細胞除去薬は抗がん剤として使用されているものが多かったため、副作用が懸念されていましたが、今回の実験で用いられたSGLT2阻害薬は抗がん剤と比べて副作用の懸念も少ない治療薬となります。今後のヒトへの臨床応用にも期待が集まりそうです。
【この記事の監修医師】 中路 幸之助 先生(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター) 1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。
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