「お中元」真っ盛り 最近の商戦の傾向は
お中元シーズンたけなわです。そもそもお中元とは、古代中国から伝わる道教の「三元」に由来するもので、1月15日が「上元(じょうげん)」、7月15日を「中元(ちゅうげん)」、10月15日を「下元(かげん)」と呼んで神を祭った行事が起源といわれています。7月15日の中元は慈悲の神を祭る日で、親類縁者やお世話になった人に感謝して、贖罪を願う習慣とされています。
中国の道教の「三元」に由来する風習
とはいえ、核家族化などの影響か、お中元の売上は年々減少しています。日本百貨店協会が発表している全国の百貨店における7月(お中元のある月)の売上高をみると、2009年に約6185億円だった売上高が、2013年には5597億円になっています。おおむね、年に3%程度のペースで減少しているのが現状です。ただこのデータは、お中元需要だけを精査したデータではなく、百貨店の売上全体が下降傾向にあることを差し引いて考える必要はあります。 とはいえ「会社では大切な取引先にお中元を贈っていますが、プライベートではお中元もお歳暮も贈ってないですね」(45歳・会社員男性)というように、20~40代の若い人たちにとって、お中元やお歳暮といったフォーマルなギフトが、さほど重要な習慣ではなくなってきているのは、生活者の実感としてあるのではないでしょうか。
ストーリー性を重視する傾向も
日本橋高島屋で広報を担当する桑原氏によると「お中元の需要は横ばいが続いている状況です。とはいえ東日本大震災以降、感謝の気持ちを伝えるために、よりこだわったギフトを選ばれるお客様が増えている印象があります」とのこと。 たとえば今年のお中元商戦では、ビールやハムの詰め合わせといった定番商品以外にも、素材にこだわったグルメ商品など、より個性的で「おいしい」と思わせてくれるギフトアイテムが支持されています。日本橋高島屋では、全国各地の高校生が育てた食材を使い、有名店などとコラボした『がんばれ次世代! ギフト』のシリーズが人気を集めているそうです。