本当に非常戒厳を謀議した「ナンバー2」なの? 次々と明らかになる軍OBノ・サンウォン元司令官の奇行
■検察、ノ元司令官の手帳の信ぴょう性を原点から再検討 24日に警察からノ元司令官の事件の送致を受けて記録を検討した検察の特別捜査本部は、ノ元司令官の手帳が捜査・裁判における決定的な証拠にはなり難いと判断したことが分かった。先に警察は、60ページほどあるこの手帳に「NLL北朝鮮攻撃誘導」「政治家射殺」といった記述があった、と明かしたことがある。 しかし検察は、手帳の内容を疑っているという。検察は、手帳の記載内容がノ元司令官個人の想像なのか、それとも金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相などに報告された内容なのか不明確だとみている。戒厳当時、韓国軍が「北朝鮮の攻撃誘導」や「政治家射殺」を計画した-という状況はまだ捕捉されていない。戒厳当時、韓国軍の兵力が国会封鎖を試みはしたが、この国会封鎖についてノ元司令官が最初にアイデアを出したのかどうかも立証されていない。戒厳司令部合同捜査本部別動隊といわれる「捜査2団」は、人事命令まで作成されたが、実際には結成されなかった。なお警察は、手帳の内容を裏付ける供述をノ元司令官などから確保できなかったという。 検察内外からは「ノ元司令官の手帳は、(かつての朴槿恵〈パク・クンヘ〉大統領・崔順実〈チェ・スンシル〉氏の)国政介入事件における『安鍾範(アン・ジョンボム)の手帳』のような『スモーキングガン』(決定的証拠)にはなり難い」という声が上がっている。安鍾範・元大統領府政策調整首席が2014年から16年にかけて作成した63冊の業務手帳は、他の物証や関係者の供述で信ぴょう性が裏付けられた。ところがノ元司令官の手帳は、作成時期や背景が全く明らかでなく、手帳の記載内容と主な被疑者らとの間にどのような関連があるのかもきちんと把握されていない、というのが検察側の判断だ。 韓国政界では、ノ元司令官が政治家を逮捕した後、ペンニョン島に送る過程で北朝鮮の攻撃を受けるように仕向け、事実上射殺する「ペンニョン島作戦」も立てていた-という疑惑が提起されている。これについて警察は、ノ元司令官の手帳に関連の内容はないとする立場だと分かった。検察は、ノ元司令官を含め戒厳関係者らを追加で取り調べ、手帳の内容を一から検証する計画だ。 ヤン・ジホ記者、ユ・ジョンホン記者、群山=ク・ドンワン記者