年収360万円、40歳独身会社員です。宝くじの「高額当せん」を夢見ていますが、「1億円当たっても一生遊んで暮らせない」と聞きました。NISAなどで運用すれば可能だと思うのですが、実際どうなのでしょうか?
仕事を辞めた40歳以降、「一生遊んで暮らせる」のか?
当せん金1億円に加えて、年金収入2927万5000円があれば、消費支出総額の1億165万2600円を賄うことは可能です。しかし、この試算に非消費支出は含まれておらず、加えて家計調査の調査対象者の多くは持ち家であるため、賃貸などの場合は必要な生活費が増えることが想定されます。 さらに、自身の介護費用、自動車など高額な耐久消費財の買い換え、家のリフォーム費用、万が一の備えなども必要になるかもしれません。何より「一生遊んで暮らす」といえば、平均以上の暮らしぶりをイメージする人もいることを考えると、必ずしも十分な金額とは言い切れないでしょう。
NSIAでの投資を活用するとどうなるか?
では、NISAも活用して当せん金の一部を運用するとどうなるでしょう。まず、無理な投資は避け、1億円のうち6400万円は、投資期間中など当面の間、消費支出や自動車の買い換えなども考慮して必要な生活費としてプールします。 残りの3600万円は、NISAの限度額1800万円と、通常の投資1800万円に分け、「長期・積立・分散」を基本に毎月6万円の投資で25年間運用し、それぞれ3%の運用益を得られたと仮定します。 すると、NISAを活用した運用では1800万円の元本に、25年間で約876万円の運用益を非課税で資産に上乗せすることが可能です。 NISAを活用せず運用した1800万円も、売却益課税後で「876万円-876万円×20.315%=約698万円」の収益が残り、図表2の通り運用全体で約1574万円の資産増が見込めます。
金融庁 つみたてシミュレーターを基に筆者作成 ただし、投資にはリスクがあり、図表2の結果が必ず得られる保証はなく、あくまでも1つのシミュレーションに過ぎません。しかし、リスクを抑えながら堅実に資産を増やせれば、「遊んで暮らせる」かどうかは別にしても、経済的な不安を少なくすることは十分可能です。
まとめ
宝くじの高額当せんはめったになく、ましてや1億円を超える当せんなどは、極めて低い確率しかありません。また、1億円当せんしたとしても、年齢や思い描く生活スタイルによっては「一生遊んで暮らす」のは無理かもしれません。 しかし、堅実な運用などで、当せん金を有効に活用できる可能性は十分にあります。本記事もそんな当せん金の使い道の妄想に過ぎませんが、宝くじを購入する際は思い切り夢を楽しんでみても良いのではないでしょうか。 出典 総務省統計局 家計調査(家計収支編) 単身世帯 詳細結果表 2023年 日本年金機構 は行 報酬比例部分 執筆者:松尾知真 FP2級
ファイナンシャルフィールド編集部