契約更改交渉を終え、撮影に応じる阪神・才木浩人＝西宮市内（撮影・根本成）

阪神・才木浩人投手（26）が20日、兵庫・西宮市の球団事務所で契約更改交渉に臨み、7000万円増の推定年俸1億2000万円でサインした。交渉の席では球団へポスティングシステムによる米大リーグ挑戦の意向を伝えたことを明かし、「28、29歳で行けたらベスト」と意欲を口にした。 【写真】一緒にラーメンを食べる阪神・才木浩人と大竹耕太郎 夢だった世界が現実的な目標となった。契約更改後の会見で才木は「これ、言っていいんですか」としながらも、球団に初めて米大リーグ挑戦の希望を伝えたことを明かした。 「そういう話はチラッとしました。まだ先のことなので、こっちからの要望として話をしただけです」 順調にいっても、海外フリーエージェント（FA）権を取得できるのは2030年シーズン。才木は32歳になる。「年齢的にも（今年は）26歳。30代になったらしんどいかな、と思っている。やっぱり28、29歳とかで行けたらベストかなと思っている」と具体的な目標を口にした。 メジャー挑戦の夢は入団直後からあった。19年に右肘の内側側副靱帯再建術（通称トミージョン手術）を受け、1年半のリハビリ生活を経て、昨季は8勝をマーク。8年目の今季は150キロ超の速球と落差のあるフォークを駆使し、13勝（3敗）、防御率1・83と躍進。137奪三振もリーグ3位だった。大幅昇給で来季年俸は1億円の大台に到達。誰もが虎のエースとして認める存在になった。 「球団の方からは数字的にはキャリアハイで、すごい成績を残してくれたという話をしていただきました」 11月に行われた国際大会「プレミア12」の日本代表にも選ばれ、1次リーグでは〝世界一〟となった台湾を相手に6回無失点の好投。才木の名前を世界に知らしめた。「自信というよりは、経験できたことが良かったと思う」。国際大会でも結果を残し、大リーグに挑戦したいという願望がさらに強くなった。 克服すべき課題も把握している。夏場に成績が落ちたことだ。「フィジカルの力とかは、まだまだ弱い。睡眠や食事もしっかりとることも大事と感じました」と、今オフは体力強化のトレーニングに取り組んでいる。 最大の難関は、ポスティングシステムによる大リーグ挑戦を球団に認めてもらうことだ。実績を積み、胸を張って挑戦したい。「今年はチームも優勝できていないし、タイトルをひとつも取れていない。僕は1番以外に価値はないと思っている。取れるものは全部、狙いに行きたい」と決意を新たにした。