運命を左右した1.5メートルのパーパット 手束雅はプロテスト合格に「涙が引っ込んだ」【マイナビ ネクストヒロインツアー】
<マイナビ ネクストヒロインゴルフツアー第13戦 Dormy Ladies Cup 事前情報◇7日◇成田ヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6355ヤード・パー72> こちらがその運命を決めたパター【写真】 先週行われたJLPGA最終プロテストで、手束雅は合格を決めた。多くの友人から連絡をもらい、「泣きながら電話してきてくれたり、幸せ者すぎてありがたいなって感じましたね。自分だけの合格じゃないんだな」と改めてそのうれしさを実感した。 今年から拠点を変え、マイナビ ネクストヒロインゴルフツアーでは解説も務める石井忍コーチの元でドローボールを習得した。「したい練習ができるし、悩みが本当にない。ノンストレス」といい環境下で腕を磨いた。その楽しそうな様子は周囲の人に伝わるほど、今季は「ハッピーなゴルフ」をしてきた。 しかし、プロテストの4日間は簡単なものではなかったと振り返る。打ったボールがスプリンクラーに当たって40ヤードも戻されたり、木にはまるアクシデントもあった。最終日は出だしの1番から、初めて“左打ち”に挑戦させられた。そんなピンチも「すごく楽しんでいました」。17番をボギーとしたが、最終18番では「諦めたくない」という気合いで1.5メートルのパーパットを沈め、トータル4オーバーで踏みとどまった。 その時点では、カットラインに1打及ばなかった。同じネクストヒロインで同スコアでホールアウトしていた青木香奈子と中継を見ながら、「足りなかった」と落ち込んでいたが、合格の可能性が見えた時は「涙が引っ込んだ」。初日の51位タイから結果19位で終え、これまでの努力が報われる結果になった。 「アプローチとパターが自分のなかで生命線」と、それらの打感が決め手でキャロウェイの最新ボール『CHROME TOUR X』を愛用している。合格を左右した最後のパットも、自身で鉛を貼ったというの使い込んだパターでねじ込んでみせた。 今季は9試合に出場し、トップ10に入ったのは1度のみ。マイナビポイントランキングも37位(1096.16pt)とやや低空飛行だった。「成績が大丈夫かってくらい」というシーズンだったが、最終プロテストに合格した資格で最終戦への出場は決まっている。「マイナビさんには本当に感謝している。少しでも順位を上げられるように頑張りたい」。フェアウェイの傾斜が強く、池が多く待ち構える難コースで上位を狙う。(文・小池文子)