「障害者手帳を持つ人を“囲って”安く仕入れる」#お薬もぐもぐ で広まる薬の闇売買。メルカリで“ダミー出品”も
薬の個人売買がX(旧ツイッター)で横行
強い薬を必要以上に求める人がおり、その薬は違法な個人売買にも使われている。現在、X(旧ツイッター)で広まっているのが、「#お薬もぐもぐ」という言葉だ。検索すると、睡眠薬や向精神薬を売買するアカウントが山ほど出てくる。 ⇒【写真】界隈で“業者”と呼ばれる人物から案内された薬の一覧 医薬品の名前をそのまま明記する投稿もあれば、「サイレース→サイの絵文字」といった隠語を使ったコミュニケーションも行われている様子。「欲しい人はDMまたはテレグラムでご連絡ください」と、堂々と募集している。 記者が公開されていたテレグラムに取材目的で連絡すると、すぐに返信がきた。 〈ご連絡ありがとうございます。取り扱っている睡眠薬一覧をお送りします。ご希望の睡眠薬はございますか?〉 受け答えは丁寧でまるで違法な取引をしているとは思えない。送られてきた一覧を見ると、例えば睡眠薬のマイスリーなら10錠あたり2500円。正規の処方なら30錠で2500円程度なので、およそ3倍だ。 その後も何人かとやりとりをしてみたところ、なかには10倍もの値段で暴利をむさぼる売人すらいた。
ペイペイフリマやメルカリでも個人売買が
こうした個人売買でのお金のやりとりには、ペイペイフリマやメルカリも使われている。 当然、フリマアプリでは医薬品の売買は禁止されているが、〈こちらが指定したハンカチやぬいぐるみを『〇〇様専用』に設定しますので、そちらからお買い求めください〉との案内をされた。 要はダミー出品をして、実際には薬が送られてくるというわけだ。また、フリマサイトは手数料がかかるため、銀行振り込みかペイペイ送金を指定し、レターパックで郵送するケースもあるようだ。
個人売買をする人には2つのタイプがある
取材を進めると、個人売買をする人には大きく2タイプがいるとわかってきた。 実際に薬を服用していて余ったものを転売したい「個人勢」と、最初から営利目的の「プロ」である。後者は「#お薬もぐもぐ」界隈では“業者”と呼ばれているらしい。 プロが売買で使うテレグラムの中には、数百人の登録者がいるものもあり、「SALE」「お買い得」といった煽り文句が飛び交っている。