近畿経済産業局「関西発」の起業家支援プラン発表
バイオやヘルスケアの業界は関西が向いている
忽那氏はこのドラッカーの名著の日本語版序文を引用し、イノベーションを起こすには、すそ野の広がりなしには生まれない。スタートアップのみならず、既存の一般企業や公的サービスを提供する機関も起業家精神をもってイノベーションに臨むべきだと強調した。 「関西で起業する場合、メリットとデメリットがある。デメリットが多いのは事実でしょう。ITなどは関西で起業しても、すぐに東京に行きますから。でも、バイオやヘルスケアの業界は関西が向いている。ものづくりも、関西が歴史があるし、強みのある部分を押し、すそ野を広げていきたいと思っています」(忽那教授) また、今回の最大の特長は、全国で初めて家業の経営資源で新しいビジネスを起こす後継者をベンチャー政策の対象にしたこと。家業の業態転換をはかった渋谷社長、横田社長もその点に触れている。従来のベンチャー政策は起業家を対象にしたものがほとんどだが、同族企業が多い関西圏で、「ベンチャー型事業承継」という新しいジャンルを確立することが狙いだという。 (文責/フリーライター・北代靖典)