「ヤバい…これはヤバすぎる…」大損害の危機!? “億単位”の研究を任されたワーママに起きたトラブルの顛末
今までのプログラム、間違ってた?
サーーーと血の気が引きます。予算、通してしまったぞ。 多額の発注ももうかけてるぞ。暑い季節なのに、冷や汗が止まりません。どこかでセミの劈くような声がしました。 時計は18時近くになっています。 昔はみなし残業バリバリだった技術系の現場ですが、今はホワイト中のホワイト。終業時間になると競うようにして帰宅する環境になりました。 だかしかし、
帰れない、いや帰りたくない
こんな中途半端な演算のまま、帰る訳にはいきません。 男性のように、 「あれー?仕事終わらない。今日は残業かな~」 で帰れないのがワーキングマザー。 18時には店じまいしてスタコラサッサとお家に帰らなければなりません。19時までの保育園送迎に間に合わせねばならぬ。もうタイムリミットが近づいています。 終業の支度をしながら、考えます。 マズイ…とてもマズイ。かもしれない。 演算が全て間違っていたかも… そうなると、技術自体が台無しになります。 サーっと足元から床が抜け落ちるようなヒヤリとした感覚になり、不安の波が押し寄せます。 その日、家に帰っても、
研究が気になって仕方がありませんでした
成功させなければ。 他に予算をもらうべき研究を抑えて、我々の研究に投資してもらったんだ。今まで沢山の人にも協力してもらった。 そのおかげで予算を頂くことができた。直属の上司達の顔を潰すわけにもいかない。 しかも、これが成功すれば、それなりの利益を生み出すことが分かっています。研究の成功だけでなく、投資回収+マネタイズもできます。 自分を鼓舞します。プロだもの。プロの企業研究員だもん。成功させる。 自身のやりたい研究ではなく、利益を生み出す研究をしてきた。幾度となく研究会を開いて、最も求められる形に近づけてきた。検討会の激しい論戦と応援してくれた人の顔が浮かびます。 次の朝… 誰よりも朝早くに研究室に向かう…ということも出来ないのがこれまたワーキングマザー。地味に1本前の電車に飛び乗れて、すこーしだけいつもよりも早く出社してまず最初にメスを入れたところは…次回に続きます。
Profile ・ぽに
関西在住。約50平米のマンションに4歳・小3・小5の男の子3人、モーレツサラリーマンの夫と5人暮らし。出張多め、両家遠方、夫婦共にフルタイム。ワンオペや出世の厳しさ、家事・育児の奮闘を書いたブログが人気になり書籍化された【ススメ共働家】。つまずき、転び、前のめる共働きの日常と現実を軽快に発信し続けている。
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