【1人暮らしの高齢の親】親が亡くなったら実家は「事故物件」になる? 家を貸し出すとき「訳アリ物件」になってしまうの?
事故物件や訳アリ物件として扱われるケースについて、詳しく知りたい方は多いでしょう。 実家がある場合は売主や貸主になる可能性があり、また自分が家を借りる際にも事故物件や訳アリ物件の知識があると役立ちます。また、事故物件の告知義務について知っておくことで、売買や賃貸時の不安を軽減することができるでしょう。 そこで本記事では、事故物件の告知義務の対象となるケースや期限について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
自然死や日常生活のなかでの不慮の死は告知しなくてもよい
国土交通省では、2021年に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定し、事故物件に関する一定の判断基準を示しています。 このガイドラインでは、例えば老衰などの自然死や、転倒や誤嚥など日常生活のなかでの不慮の死については、賃貸借や売買取引の際に告知しなくてもよいとされています。 ただし、事故物件に関するガイドラインは法的な拘束力を持たないため、これはあくまでも「原則」としての判断となることに注意が必要です。実際、事故物件かどうかは、各不動産仲介業者がガイドラインを基準にして判断するケースが多いです。
事故物件の告知義務の対象と期限
「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」には、事故物件の告知義務の対象となるケースや告知期限も記載されています。 例えば、事案の発生場所や死因、取引の種類によって告知の義務や期限が異なるため、事前にこれらの条件を理解しておくことで物件探しや取引の際に不安が少なくなります。本項では、事故物件の告知義務の対象と期限について見ていきましょう。 ◆告知義務の対象 ガイドラインによると、殺人などの事件性のある死、自殺、火災などによる死、原因不明な死は告知が必要とされています。また、マンションやアパートの普段使用する共用部分(ベランダやエレベーターなど)での事故死や事件死も同様です。 一方で前述のとおり、日常では使用しない共用部分で発生した事案は、告知しなくてよいとされています。また、自然死や日常生活のなかでの不慮の死についても告知の対象外です。 なお、事案発生からの期間や死因に関わらず、買主や借主から問い合わせがあった場合は告知する必要があります。 ◆告知義務の期限 国土交通省のガイドラインによると、告知義務の期限は「おおむね3年間」とされています。ただし、この期限が適用されるのは賃貸物件の場合です。 したがって、賃貸マンションやアパートの日常生活で使用する共用部分で発生した事案については、事案発生または発覚(特殊清掃が行われた場合)からおおむね3年間が告知期限となります。 なお、賃貸におけるその他のケースや売買物件については、告知義務の期限は定められていません。