「応援しなくていい」神戸MF山口蛍の背番号「96」がSNSで思わぬ波紋…異例反論にサポーターが見せた意外な反応とは?
ただ、選手個々の自由と言っても、ペットの名前と語呂を合わせた背番号はやはり珍しい。神戸の新背番号が発表された直後から、山口の溺愛ぶりを知っているファン・サポーターは「クロ」との微笑ましい関係を指摘していた。 一方でSNS上を飛び交っていた、今回の背番号変更を快く思わない声も把握していたのだろう。山口はこう続ける。 「番号変えた事でふざけているとか応援出来ないって人は、僕の事は応援出来なくてもいいので、ヴィッセル神戸の応援だけはよろしくお願いします。僕は変わらず全力で頑張ります」 特に前半部分は売り言葉に買い言葉となりかねない、異例の反論と言っていい。しかし、続く部分で引き続き神戸を応援してほしいなどと訴えた山口のインスタグラムには、日付が11日に変わった時点で、賛同および共感するコメントが多く寄せられていて炎上騒ぎにはなっていない。 「初めて選手のユニホーム買うことになりそうです」 「家族背負って戦うなんて最高にかっこいいぞ山口蛍」 「めちゃいい!素敵です」 神戸は今月6日に、イニエスタに代わる技巧派のトップ下として昨年9月に獲得した、元スペイン代表のMFフアン・マタ(35)の契約満了に伴う退団を発表した。J1リーグ戦出場が1試合、わずか10分間でマタが神戸を去った理由は明白だ。 悲願のJ1リーグ戦初優勝を手繰り寄せた、ハイプレス、ハイインテンシティーをベースにすえる戦い方をさらに進化させる。豊富な運動量と球際での無類の強さを誇り、昨シーズンは期限付き移籍先のアビスパ福岡を躍進させた元日本代表のMF井手口陽介(27)を、保有権を持つスコットランドのセルティックから完全移籍で獲得したのも、プレスとボール奪取というストロングポイントを、さらに強化する狙いが込められているからに他ならない。 もちろん、シーズン終盤の10月に34歳になる、ベテランの山口がフル稼働して初めて可能になる戦い方でもある。2022シーズンからJ1リーグで48試合続けて先発フル出場を果たすなど、鉄人ぶりを発揮していた山口は、優勝を目前に控えた昨シーズンの終盤戦で、左膝を痛めて2試合の欠場を余儀なくされた。復帰後にはこんな言葉を残している。 「1年間ずっとやってきて、最後の最後になって、ピッチに立てないというのは正直、ちょっと考えられなかったし、これほど残酷なことはないとも思っていた」 連覇へ向けて、長丁場のシーズンで躍動していくためにも新たな力がほしい。背番号「96」を介して、家族の一員と公言する「クロ」へ抱く愛情も背負いながら、敵地に乗り込む2月第4週のジュビロ磐田との開幕戦をにらんで山口は調整を続けていく。 (文責・藤江直人/スポーツライター)
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