ラモス氏が「キーパーに戻すと“ええ加減にせえや”と思う。そんな暇ないよね」と昨今の戦術に喝
元サッカー日本代表のラモス瑠偉氏が5月14日、日本サッカー界、そして選手とメディアの関係性について苦言を呈した。 ラモス氏はこの日、都内で行われた「2024“Jリーグの日”特別企画発表会」にゲストとして登壇。「“Jリーグの日”特命アンバサダーチーム」として、タレントの朝日奈央、お笑い芸人のワッキー、とにかく明るい安村とトークショーを行った。 発表会後の取材では最近のJリーグの試合について「選手たちのレベルが上がっているのは間違いない。海外でプレーしている選手はすごく刺激を与えていると思う」などと語る一方で「選手たちがどうのこうのではなく、ボールの回し方が無理。仕掛けていけばいいのに、後ろに下げて、戻してまた最初から。スローすぎる。上から見ていると、ああここでまたボランチに下げる。ボランチに下げるのはいいけど、キーパーに戻すと“ええ加減にせえや”と思う(笑)。そんな暇ないよね。ちょっと前の選手だったらきっと同じ気持ちで見ていると思う。選手に意外性がない」とキーパーに戻してからのビルドアップするサッカーにもどかしさを感じているよう。 なおも「いい選手はたくさんいるが、やり方が…。お前の能力だったら行けるでしょう。行けたでしょう。なぜ行かない? 監督の顔色を見ながらプレーしているのが嫌。失敗したら責任取ればいい。今は選手がそういうのを避ける。怒られるからか、使ってもらえなくなるからかは分からないけど。力を持っているし、もっとサッカーを楽しめればいいのに。引退してから楽しかったと思えるのかな。私たちの時代と比べてうまくなっているとは思うけど」などと続けた。
そのうえで今シーズン、J1に復帰した古巣の東京ヴェルディについては「去年から見ていて思うのは、あきらめていない。監督の魂が入ってる。去年の清水とのプレーオフの時もあきらめていなかった。この前の鹿島の試合も。3-0になって、先々週の試合だったら5-0になるかと思った。ヴェルディはあきらめないから、30分以内に点が取れれば、残り15分は分からないと思っていたら、そうなった。ヴェルディはそういうチーム。森田(晃樹)が仕切っているが、ハードワークがすごくうまくいっている。若いチームだし、城福監督が若手を育てるのが好きで天才。森田選手は2年前にすごいオファーがあった。でもヴェルディが大好きで、絶対にJ1に上がってからと思っていた。ヴェルディの魂を持っている」などと評価。 その5月12日の0-3の劣勢から追いついて引き分けた鹿島戦については「鹿島が負けてサポーターが暴れたけど、鹿島は3点取った後に点を取りに行った。これはすごいなと思った。やばいなと思った。ヴェルディもあきらめずにとりあえず1点取ろう、1点取ろうとやっていって、それで鹿島がばたばたになった。いい試合、面白い試合だった。鹿島の姿勢がすごく良かった。3-0で守って守ってカウンターだけでやっても…。3-0から引き分けたけど、ヴェルディも一生懸命やっているんだから」などと熱を帯びた。