“ルフィ強盗事件”実行役リーダー残忍な犯行から一転、法廷で涙の謝罪「自らに極刑を望む」変化のワケ
永田被告の心情は、なぜ変わったのか。 逮捕からおよそ半年後の去年8月、報道陣のカメラに向かって、威嚇するようなしぐさをとった永田被告。「長く刑務所にいるくらいなら死んだ方がマシ」と考え、「死刑」になるため、取調べでも悪態をついていたという。 その気持ちを一変させたのが、拘置所で読んだ被害者や遺族の供述調書だった。広島市の強盗殺人未遂事件の被害者の調書には、こう書かれていたという。 「『(被害者は)お酒や釣りやテニスが好きだった。でも今はもうできなくなっている。こんな平和を奪った犯人は許せない。平和な日常を奪われた悲しみは一生続く。悔しくて、悔しくて、たまらない』と書いてありました」 さらに、事件を担当した警察官や検察官、拘置所の職員との会話が、自ら犯した罪の重さと向き合うきっかけとなった。 「相談に真摯にのってくれた。心配してくれた。更生と改善が大事だと教えてくれた。ありがたかった。自分にできることはなんだろうと考えました」 被告人質問で裁判員から、「やり直せるのならどこをやり直したいですか」と問われると、声を震わせながら「初めて犯罪をした時です。人のことを傷つけるだけの人生は嫌でした」と吐露する場面もあった。 ■「『被害者のため』望んだ極刑、判決にも涙」 「被告人は実行役のリーダー格であり、果たした役割は重大。報酬目当ての犯行動機は身勝手で酌むべき点はない」 10月24日の論告で、検察側は無期懲役を求刑。証言台に立った被告は、こう訴えた。 「(罪を)極刑でないと償うことができない。極刑を強く望みます。私が責任を果たせるのは無期懲役ではなく死刑です。私の意思でやりました」 その声は震え、次第に大きくなっていく。語気を強め、目の前にいる裁判員達に涙ながらに求めた。 「この裁判は裁判員裁判です。被害者の処罰感情が反映されます。私に一切の情状酌量はいらないです。被害者、遺族のことのみ考えてください。極刑を下してください」