“ルフィ強盗事件”実行役リーダー残忍な犯行から一転、法廷で涙の謝罪「自らに極刑を望む」変化のワケ
別の実行役が女性を何度も暴行する姿をみても、止めなかったという。 「私が『やりすぎ』『やめろ』と言ったら、メンツがつぶれる」 “リーダー”としてのメンツを保つために、暴行を止めなかったという永田被告。別の実行役から「これ以上やると命が危ない」と言われても、「やらないなら俺がおまえをぶっ殺す」と怒鳴ったという。 暴行した女性が亡くなったことは、指示役の「キム」から聞いたという。 「人の道理を外れたクズ。自分の存在が終わったと思った」 しかし、亡くなった女性への謝罪の気持ちは「一切なかった」という。考えたのはあくまで「自分のこと」。「もう戻れない」と、この事件後も犯行を続けた。 ■「指示役「キム」への憧れ『ユーモアがあって頭がいい』」 「犯罪組織の胴元になるためには、金がいる。犯罪のことしか考えていなかった」 自分が指示役になるために強盗を続けていたという永田被告。法廷では、一連の事件でやりとりしていた指示役「キム」に対する憧れを語った。 「キムさんはユーモアがあって頭がいい。的確な指示を出す。こんなふうになりたいと憧れもありました」 一度も会ったことがない指示役の「キム」を、憧れを込めて「格上の犯罪者」と表現した。 永田被告の弁護側は、「指示役が被告人をわずかな報酬でつり、駒として利用した」と、指示役に従属的な立場だったと主張した。しかし、永田被告はそれに反し、こう証言した。 「私の意思でやりました。現場で他の実行役に指示したのは僕。僕が悪いのです」 指示役に逆らえない状況は、「一切なかった」と話した。 ■「『ごめんなさい』法廷で突然の涙、心情変化のワケ」 残忍な犯行の様子を淡々と語る永田被告の表情が一変する場面があった。遺族や被害者に対しての気持ちを問われた時だ。 「言葉にならないです。本当に『ごめんなさい』としか言えないです」 涙をこらえ、絞り出すような声だった。被害者のことをまったく考えない残忍な暴行の実態を淡々と話す永田被告と、涙ながらに謝罪する永田被告。同じ人物とは思えないほどの変化だった。