アフリカと欧州を結ぶ「全長約28キロの海底トンネル」の鉄道計画が浮上
アフリカとヨーロッパを初めて海底トンネルで結ぶ鉄道が実現か。2030年のサッカーワールドカップ(W杯)までの開通を目指し、モロッコが共同開催国のスペインと建設計画を進める
海底トンネルは全長約28キロで、モロッコ北部マラバタとスペイン南部アンダルシア州のプンタパロマを結ぶ。実現すれば、モロッコの最大都市カサブランカからスペインの首都マドリードまで約5時間半で行けるという。【ニューズウィーク日本版ウェブ編集部】 【動画】ヨーロッパとアフリカを結ぶ海底トンネル スペインとモロッコ、ポルトガルが30年W杯の共同開催を昨年10月に勝ち取ったことで、海底トンネル計画の議論は本格化してきた。数十年の議論を経てモロッコ当局が今年6月に調査の開始を発表し、一気に機運が盛り上がった。 この計画ではロジスティクスがカギを握る。水深約480メートル地点に長さ約28キロの単線海底トンネルを2本建設する必要があるが、ジブラルタル海峡は最も深いところで約900メートルに達し、大地震の震源となる断層上に位置する。 完成すれば、年間最大1280万人の乗客と1300万トンの貨物運搬が可能になる。 建設費の正式な見積もりはないが、60億ユーロ(約1兆440億円)以上という試算もある。