三笘薫「先発完投型」スタイルで復活 今季開幕弾、相手の一発レッド誘発プレーも
【試合を決定づける痛快プレー】 2本目はその9分後。三笘にパスを送ったのはまたもやミンテで、その縦突破からのマイナスの折り返しに、三笘はファーポストに飛び込む格好となった。ブライトンに今季初得点が生まれた瞬間である。三笘はプッシュするだけだった。 ブライトンに三笘あり。記録上では存在感をアピールするゴールになった。しかし、"ごっつぁんゴール"とまでは言わないまでも、1点のうち半分はミンテにつけたくなる、なにより右ウイングの縦突破を称賛したくなるゴールであることも確かだった。それぐらいミンテが対峙する左SB(ビタリー・マイコレンコ/ウクライナ代表)の逆を突くアクションは、目を見張るものがあった。 少なくともこの段階では、ウインガーとして活躍度が高かったのは右ウイング、ミンテのほうだった。三笘は41分にタルコフスキーをかわして縦に出ているが、前半を振り返れば総じてプレー機会が少なかった。 名ウインガーが数多くひしめくプレミアにあって、現在、筆者の心をとらえて放さないのはベルギー代表としてユーロ2024を沸かせたジェレミー・ドク(マンチェスター・シティ)のプレーになる。対峙する右SBに1対1を幾度となく挑み、縦突破を高確率で決めるその姿に比べると、三笘は劣って見えた。 ちなみにミンテは前半終了間際、脳しんとうの疑いありとの診断でベンチに下がり、右ウイングには代わってシモン・アディングラ(コートジボワール代表)が入った。ブライトンの右ウイングはソロモン・マーチ(元イングランド代表)を負傷で欠きながらも人材豊富である。 後半11分。今日イチのプレーを披露したのはダニー・ウェルベックだった。ウィーファーが中盤でエバートンMFイドリッサ・ゲイェ(セネガル代表)のパスをカットすると、その足で前方を走るウェルベックにパスを送る。元イングランド代表の33歳がここから見せたゴールに至るまでの動きは、テクニカルで頭脳的、かつおシャレだった。