コースの質がすべてじゃない!? 「二度とプレーしたくない」けど「また行ってもいい」ゴルフ場とは?
「二度とプレーしたくない」と「二度と行きたくない」は別物
ただ、そのセリフに続いて彼が口にした言葉がとても印象に残りました。 「コースは二度とプレーしたくないですが、二度と行きたくないかと聞かれたら、そうでもないんですよね。接客サービスのレベルはものすごく高かったですし、プレー料金とサービス内容のバランスは悪くないんですよ」 「ボクらはコンペだったので、何人かに車を出してもらい同乗させてもらってゴルフ場に行ったんです。そうしたら帰るときに、同じ車に乗っていた人のキャディーバッグが4個ずつまとめて置いてあったんですよ」 「普通のゴルフ場のキャディーバッグ置き場は、組ごとにバッグを置くじゃないですか。でもボクらはコンペだから、同じ組の人間が同じ車に乗ってきているとは限らないわけです」 「要するに、ゴルフ場に到着したときに誰と誰が同じ車に乗ってきたかをチェックしているということです。そこまでチェックしているゴルフ場はなかなかないですから、ボクらのように接客業をしている人間の目から見ても『さすがだな』と思いました」 コースは二度とプレーしたくないけど、そのゴルフ場に二度と行きたくないわけではないというのです。 いわれてみれば確かにコースはゴルフ場という施設の一部分でしかありません。それ以外にもクラブハウスがあり、レストランがあり、お風呂があり、スタッフがいます。それらすべての対価として利用者は料金を支払っています。 おそらく彼はまたBゴルフ場に行く機会があるでしょう。ゴルファーがそのゴルフ場にリピートするかどうかを決める判断基準の奥深さを感じたエピソードでした。
保井友秀