「踊る大捜査線」新作は「室井慎次」の思いを継いで 亀山千広プロデューサーが語る
平成時代に社会現象にもなった大ヒット映画「踊る大捜査線」シリーズの新作が作られることが決まった。織田裕二(57)が演じる刑事、青島俊作が帰ってくる。シリーズ派生作で公開中の「室井慎次」をきっかけに、関係者の熱い「思い」が事態を動かした。シリーズの亀山千広プロデューサー(68)が、自身の思いのすべてを語った。 【画像】映画「踊る大捜査線 N.E.W.」のティザービジュアル 室井の思いを託された青島が帰ってくる ■君塚の思い 青島復活の計画などなかった。公開中の「室井慎次 敗れざる者」と「生き続ける者」(いずれも本広克行監督)は、あくまで室井を終わらせるために撮った。 柳葉敏郎(63)主演の「室井慎次」は、「踊る-」シリーズを手掛けた脚本家、君塚良一(66)が亀山に「室井の最期を描きたい」と望んだのが発端で作られた。 君塚は亀山に「室井の存在が役者・柳葉敏郎の足かせになっている。室井としての人生に区切りをつけ、柳葉さんを解放すべきだ」と「思い」をぶつけた。 柳葉が室井を大切にするあまり、室井に似た役のオファーを断り続けていることは亀山も気づいていた。室井の存在が、柳葉の役者としての幅を狭めていた。 ■亀山の思い 「踊る大捜査線」シリーズは、亀山がフジテレビの第一制作部(当時)時代に手掛けた平成9年放送のドラマから始まった。織田が演じた警視庁湾岸署の刑事、青島が主人公。室井は警察庁の官僚で、現場の警察官のため警察組織を改革することを青島と約束する。 シリーズは「容疑者 室井慎次」など派生作品も生みながら、「THE FINAL 新たなる希望」(24年)で幕を下ろした。 「THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」(15年)は、今も実写邦画ナンバーワンの興行収入(173・5億円)を誇る。だが、「ヒットを続け、プロジェクトとして肥大化。背負いきれなくなって、僕ら作り手側で勝手に幕を下ろした」と亀山が告白する。 「始めた責任にけりをつけたつもりだった」。だが、君塚の言葉に「終わっていなかったのだ」と痛感。ならば、今度こそけりをつけよう。今度は亀山が「思い」を柳葉に伝えた。 ■柳葉の思い