早実の“怪物”清宮は成長したのか。プロでの成功確率はアップしたのか?
片岡さんも、清宮が抱えている課題をこう分析した。 「緩急をつけられると、からっきしだめ。アウトコース、インコースと厳しいところを攻められたときも対応ができていない。タイミングが合えばいいが、合わないとバットが出てこないというムラが見える。おそらくタイミングをグリップを動かすことで取るようにしたからだろう。今の段階で、絶対にプロで成功するというものはない。よく比べられているが、まだ松井秀喜や清原和博クラスではない。ただ高校生は、2年の冬をこえ、3年の春から夏にかけて大きく成長するもの。タイミングのとり方も含めて、それらの課題をどう克服していくかで、また評価も変わってくるのではないか」 片岡さんも、プロか、早大進学か、どちらがベストかと意見を求められると、答えに困るという。 「いきなりプロへ進む場合は、入るチームによって、成功するか、失敗するかが大きく左右されると思う。しっかりとした育成ビジョンを持ち、清宮を7番、8番において我慢して使うことのできる余裕のあるチームに入ることだろう。例えば巨人は智弁から1位指名した岡本がちょっと結果が出なければ使わない。勝負最優先で、すぐに結果を求められるようなチームに入るくらいなら大学へ進んだ方がいいのかもしれない」 いい悪いの論議が起きるのも、清宮が何十年に一人の逸材だからこそ生まれる現象。当確ランプが灯っている来年春のセンバツ甲子園で、“怪物”は、どんな打棒を披露してくれるのか? 2度目の甲子園登場が、今から待ち遠しい。