【独占】ゴルフ場でトランプを撃とうとした男はウクライナ軍とは無関係の誇大妄想狂だった
「まともではない」と気づいた瞬間
アッシェンブレナーは本誌に、ラウスとのメッセージのやり取りの内容を明かした。彼によれば「ラウスは『そうか、君は本当はウクライナを助けたくないんだな』と言ってきた。彼は感情的にとてもひねくれていて、手助けを拒んだり反論したりすると非難がましい態度を取った。私が言うことには一切耳を傾けず、何も理解していなかった」という。 「ラウスは私に6000人ほどのアフガニスタン市民の情報を含むPDFを送ってきた。合法的にヨーロッパに入ることができない人々なのに。彼はとても闘争的で論争的だった。軍の基本的な方針を理解することを繰り返し拒んだ」とアッシェンブレナーは述べた。 アッシェンブレナーが、ラウスはまともではないと最初に気づいたのは2022年8月24日だったという。「ロシアからの攻撃を受けて警戒レベルが引き上げられ、夜間外出禁止令が出ていた。ハルキウでは午後6時か7時だったと思うが、ラウスはその時、ある外国人義勇兵に国境を越えさせようとしていた。『今夜はダメだろう!』と私は思った」とアッシェンブレナーは振り返り、さらにこう続けた。 「彼には少し妄想癖があると思った。彼自身、自分が本当に新兵採用担当者だとは思っていなかったと思うが、彼は自分がウクライナを助けていると心から信じていたし、ウクライナを助けられるのは自分だけだと確信していたと思う」 【個人情報を勝手に公開】 2023年2月、ラウスは(アッシェンブレナーを含む)自分たちの個人情報をインターネット上で勝手に公開しはじめた。そして、ウクライナで戦いたい者にはチャンスを与えると約束したという。 本誌(ルーマニア版)とのインタビューの中でラウスは当時、「なぜ私はここにいるのか。なぜなら、ほかの多くの紛争はグレーだが、この戦争は白と黒がはっきりしているからだ。これは善対悪の戦いだ。映画に出てくるような、はっきりとした善対悪の戦いなのだ」 ワシントンのデジタルニュースメディア「セマフォ―」は2023年3月10日に公開した記事の中で、ラウスをウクライナの国際ボランティアセンター(IVC)の代表として紹介している。ウェブサイトによれば、IVCは「ボランティアを支援」し、ほかの非営利団体と協力して「ウクライナ全土に人道支援を広める活動を促進する」ことを目指す民間団体だ。 ラウスのXのアカウントは現在凍結されているが、本誌は凍結される前のコンテンツを確認している。