【データが語る】「65歳以降に離婚した人」の驚くべき末路【人気教授が教える】
「今年のヒット商品ベスト30」(日経トレンディ2024年12月号)で「大谷翔平売れ」を押さえ堂々1位となったのは「新NISA&『オルカン』投資」。初心者向きの全世界株式投信に1兆8000億円が流入した。だが、まだ投資をやったことがない人や、投資を始めても何かとお金にまつわる不安を払拭できない人も多いかもしれない。 そんななか、世界600万部突破『サイコロジー・オブ・マネー』著者モーガン・ハウセルとゴールドマン・サックスCEOが絶賛する全米ベストセラーが話題となっている。世界的ベストセラー『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(東洋経済新報社)の著者で、「世界最高のビジネススクール教授50人」に選出されたニューヨーク大学スターン経営大学院教授のスコット・ギャロウェイ著『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』だ。9社を起業した連続起業家でもあり、日本で「GAFA」という言葉を定着させた全米屈指の人気教授が明かす「世界最先端のマネー戦略、人生戦略」とは? 本書から抜粋・編集してお届けする(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)。 ● リタイア後について今から考えておくべきこと お金を稼ぐために懸命に働き、お金を貯める習慣を身につけるのは、どちらも大変なことだ。 継続的な努力が必要だし、途中で挫折することもある。 だが、遠い将来の計画を立てるのは、別の意味で難しい。 未来の自分が何を考えているかは、そのときになってみないとわからない。 それでも、将来のビジョンをイメージするのは重要な計画ツールになり、モチベーションアップにつながるので、努力することは重要だ。 数年前を振り返り、今の自分と当時の自分を比較してみよう。 どんな違いがあるだろうか? 今は喜びを感じているが、以前はそうでなかったものは? 私の場合、自分の人生にいくつかの明確なフェーズがあった(当時はそれほどはっきりと意識していなかったが)。 私は常に、お金に対する不安や、物質的な喜びへの欲求、一番大切な人たちを喜ばせ、感動させたいという欲求を原動力にしてきた。 それらのバランスが、時間の経過とともに大きく変化してきた。 では、今度は未来に目を向け、5年後、25年後、50年後の自分を想像してみよう。 自分が変わるペースは遅くなるだろうか? これまで変化してきた意欲や欲求は、未来ではずっと変わらないだろうか? 自分より20歳か30歳年上の人に、 「あなたは、20年前の自分と同じ人間ですか?」 「あなたは、20年前の自分が想像していたような“未来の自分”になりましたか?」 と尋ねてみよう。 「今の自分は未来でもずっと変わらない」という誤った考えは、「プロジェクション(投影)バイアス」として知られている。 これは、「将来の好みが現在の好みに過度に似ていると考える人間の認知傾向」として定義されている認知バイアスだ。 ● 65歳以降に離婚した人の末路 「リタイア」についての考え方が変化しているという社会的な理由も、自分の未来予測を難しくしている。 リタイアしたアメリカ人の2割は今でも単発や軽めの仕事をしており、その大多数は、「働くのは人生の充実感が増すからだ」と答えている。 また老後生活には、以前よりお金がかかるようになっている。 医療費は上がり続け(いくらかの補助は出るが)、平均寿命も延びているからだ。 65歳以上の離婚率はどの年齢層よりも高く、離婚すると経済的に厳しくなる。 65歳以降に離婚した場合、男性は25%、女性は41%生活水準が低下する。 未来の自分について計画を立てる際には、「未来の自分は予想外の形で変化するので、正確には予測できない」と心得ておくべきだ。 つまり、未来の計画では、精度にこだわるのは意味がない。 「未来の自分は絶対にこれが必要になる」といった具体的な目標で自分を縛らないようにしよう。 (本稿は『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』の一部を抜粋・編集したものです)
スコット・ギャロウェイ/児島 修