孫正義が「つまらんなぁ」と感じる“絶対に仕事ができない人”の特徴
● 笑いだけとればいいワケじゃない しかし、ソフトバンクの会議で、孫氏がオチをつけようとしたからといって、笑いをとるだけで成果が上がるというのは素人考えだ。 調べてみると、孫氏の仕事に対する厳しさを感じ取る人もたくさんいる。ソフトバンクの社長室長をしていた三木雄信氏はこう証言している。 《孫社長は「まずゴールをこうするぞ!」とドーンとビジョンから来るわけです。そうは言っても、現場は遥か手前のところにいて、それを調整しなければなりません。中間管理職的な立場になり、両者の板挟みになってしまうことが常にありました》 《ADSL事業を立ち上げるときもそうでした。あの当時、そのまま突っ走るとチームが空中分解しそうな感じでした。単に「現場は付いていけません」とは言えませんから、何が問題点なのか現場の声を洗い出し、孫社長にちゃんと言わなければなりません》 (ビジネス+IT『孫 正義氏の右腕だった元社長室長が明かす、当時の本音と貴重な学びとは』三木雄信氏、2015年2月10日)
● 孫正義に「つまらんなぁ」と思われたら… ヤフーの川邊氏には孫氏との会議で余裕があったのかもしれないが、全く余裕がないという人もいる。 《「ものを考える」「アイデアを出す」ということが常にクリティカルな命題で、それが達成できなければ、家に帰ることができないし週末も消えてしまうという生活です。やがてマッキンゼーからソフトバンクに転職し、孫正義さんを支える社長室長になると、その生活はさらに加速しました》 《孫さんという方は、ゼロからあれだけの企業を作り上げた、ものすごい思考力の持ち主です。私たちも、孫さんから「脳みそがちぎれるほど考えたのか」という問いを常に迫られてきました》 《「お前の話はつまらんなぁ」という顔を孫さんにされると死にそうな気持ちになる。ですから、頭をきちんと使って価値を生み出していくということが、ずっと自分の仕事の中心を占めてきました。楽ができるような時は全くありませんでしたね》 (JBpress『AIとの共存で必要な人間の知性、孫正義の薫陶を受けた男がたどり着いた結論』安川新一郎氏、2023年8月24日)