ハードル高い日本企業決算、投資家の失望招く恐れ-コストアップ注意
それでも投資家は、業績への高い要求に応える銘柄買いを入れる姿勢は依然として維持しているようだ。「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」など映画作品のヒットで前期営業利益が32%増と大きく伸び、中期経営計画の数値目標を前倒しで達成した東宝の株価は2年ぶりの日中上昇率を記録した。
東宝株が急伸、「ゴジラ」で最高益前倒し達成-サプライズとの声
多くの企業が4月下旬から5月上旬にかけて発表する通期決算では、日本がインフレ経済に転換する中、企業がコスト転嫁をできているかどうかに注目が集まる。値上げをしない企業は失望を招き、値上げを行う企業はインフレ進行下でも利益を確保できると評価されている。
低価格イタリアンレストランのサイゼリヤの決算は予想を上回ったものの、発表翌日の株価は6年ぶりの下落率となった。同社は値上げをしない方針を継続するとしている。
サイゼリヤ株が6年ぶり下落率、海外売り上げが予想届かずと野村証
アムンディ・ジャパンの春川直史ジャパン・ターゲット戦略ヘッドは、日銀短観で示された旺盛な設備投資計画から「投資家から見ても、満足できるような企業の予想が多いのではないか」と分析。一方で、リスクがあるとすれば賃上げの影響だとし、インフレ下では「値上げをしていかないと投資家の目線も厳しくなる」と述べた。
古野電株が5年超ぶり下落率、今期営業利益は16%減へ-人材費用増加
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Yasutaka Tamura