うちの凸凹―外科医と発達障害の3人姉弟―「とりあえず1時間目は遅刻しよう」。しっかり休むための試行錯誤
こんにちは。外科医ちっちです。うちの3人の子どもは、全員が自閉スペクトラム症の診断を受けており、いくつかの困りごとを抱えています。一緒に生活するうえで、「こんな発想でこんなことをしてしまうのか」と驚かされることもあれば、「こうとしか考えられないのか」と辛い思いをすることもあります。この連載では、軽度の発達障害のわが子の日常や、子育ての様子を徒然なるままに綴ります。世の中にはこんな「変わっている子」「変わっている人」もいることを、いろいろな方に広く知ってもらい、日々の生活に役立ったら嬉しいです。今日のテーマは「子どもの休ませ方」に関してです。
「学校を休む?」への反応は、子どもによってまったく違う
ちょっと変わった子ども3人を育てていて、共通しているのは 『疲れると問題行動が増える』 『学校に通うのは本人たちにとって疲れるタスクである』 『自分の疲労の把握が幼いうちは上手くできない』 の3つ。 なので、定期的に様子を見つつ、親側から介入して平日でも学校を休ませるようにしています。しかし、親が学校を休ませようとしても、反応はそれぞれに違います。
【長女】 一番休むのが上手です。 元気がなく感じる日に親側から「今日休む?」というと、「うん」と答えて、自分の好きなことを始めてそのまま1日楽しんでいます。 疲れてくると自分から「明日休みたい」も言えます。 勉強のカバーも自分でできます。
【長男】 疲れてくると、感情が荒れます。 なので、調子が悪いと朝に「行きたくない」と怒り出します。私たち親は「行かなきゃいけない」と促すことも、「行け」と命令することもないし、当然そういう日は「休もう」と勧めますが、本人が聞いておらず怒り続けることが多かったです。 そんな彼に上手くいく言葉は、「とりあえず1時間目は遅刻しよう」でした。 変わるかもしれない自分の体調で、『1日の全体の予定』を決めてしまうのが怖かったのかもしれないです。 「とりあえず『1時間目』だけを休む」という声掛けは、本人の中で分かりやすいのか、脳に届きやすく落ち着くきっかけになりました。 ただ、遅刻することを決めても、気持ちを切り替えて好きなことをするのは難しくて、朝食後はずっとソワソワして、何も手につかず過ごしていました。 1時間目の終了時刻に合わせて親から「今日はこのまま休もうか?」と聞くと、そのまま休めることも、少し落ち着いて登校することもありました。 担任にも状況を伝え、少しでも違和感あれば早退を頼んでいたが、外では素を出さない子だからか早退はできたことがないです。