新女王誕生! カタジナ・ニエウィアドマが「全ステージをパーフェクトに走り抜いた」と自賛の個人総合初優勝 絶対的存在のデミ・フォレリングは4秒届かず【Cycle*2024 ツール・ド・フランス ファム:レビュー】
ツールは昨年、一昨年とも個人総合3位。とくに前回は、山岳でフォレリングに食らいつきながら、最終日の個人タイムトライアルで遅れて総合順位を落としていた。その悔しさが今大会のモチベーションだったという。 「これまでのキャリアでは何度も不運に見舞われて、勝てそうで勝てない経験をたくさんしてきました。そのたびに励ましてくれたのが、チームや仲間、家族でした。そんなみんなに、やっと恩返しができます」(ニエウィアドマ)
負けて強しの印象を観る者に与えたフォレリングだが、やはり悔いが残る。「言っても仕方ないのですが……」と前置きしたうえで敗戦を語った。
「落車によってもったいない結果になってしまいました。あの一瞬ですべてが崩れてしまいましたね。4秒をどこで失ったのかも、いろいろと考えてしまいます。第4ステージで勝っていれば……、落車した後にすぐ走り出していれば……、第7ステージでもチャンスがあったのではないか……。でも、もう引き返すことはできません」(フォレリング)
受難はフォレリングにとどまらず、SDワークス・プロタイム全体に起こっていたとの見方もある。第5ステージでフォレリングが落車した際、付き添えたアシストはミーシャ・ブレーデウォルツだけだった。カタブランカ・ヴァシュがステージ優勝争いを演じ(結果的にステージ優勝)、その後ろのグループにはロレーナ・ウィーベスが位置し上位を争っていた。こうした動きに、大事な局面でチームがバラバラになっていてエースを守れなかったのでは、との指摘がなされている。首脳陣も、戦術的なミスがあったことを認めている。
「デミがクラッシュした際は、チーム無線が機能していませんでした。しかるべき指示をすぐに出せなかったことは失敗だったと言わざるを得ません」(SDワークス・プロタイム チームマネージャー:ダニー・スタム氏)
成功も失敗も、多くを経験してついに頂点に立ったニエウィアドマ。ツール史上最も僅差の勝者として、長く語り継がれることだろう。彼女の言葉が、戦いの本質を示している。
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