《ブラジル》話題が豊富な2024年=コロニア10大ニュース=連邦政府謝罪や現役首相2人来伯
【2位】「故郷に帰ってきたよう」=岸田総理来伯、歓迎式典に1千人
岸田文雄内閣総理大臣(当時)が5月3~4日、今年11月にリオで開催されたG20の事前協議などのためブラジルを訪れた。日本の現役総理大臣がブラジルを訪れるのは、2014年の安倍晋三氏以来のことだった。 岸田総理は3日にブラジリアでルーラ大統領と会談。メルコスールとの経済関係強化や、日伯外交関係樹立130周年となる2025年を「日伯友好交流年」と位置づけ、交流の促進を確認した。 4日にはサンパウロ市を訪れ、イビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑に献花し、同公園内日本館やサンパウロ市中心部にある日本文化広報施設「ジャパンハウス」を視察。サンパウロ大学法学部で政策講演を行い、日伯の経済団体による「日・ブラジル・ビジネスフォーラム」に出席した。 ブラジル日本文化福祉協会ビルで行われた日系団体による歓迎式典には約1千人以上が来場。岸田総理は「まるで故郷に帰ってきたような懐かしい感じがします」と歓迎に対する感謝を述べ、今後の日系社会との関係深化について講演した。
【3位】自然災害、国境超え支え合う=能登半島地震、リオ・グランデ・ド・スル州大水害
今年は日伯両国ともに甚大な被害をもたらす自然災害が発生した。日本では1月1日に能登半島地震が発生。ブラジルでは4月末からの豪雨によりリオ・グランデ・ド・スル州で大規模な水害が起きた。これらの被害に対し日系社会は連携して募金などの救援活動を行った。 能登半島地震に対しては石川県人会が寄付口座を開設し、チャリティーイベントを開催。個人やブラジル健康体操協会などの団体から受け取った寄付金を母県へと贈った。石川県人会の武部清美エリーナ会長は当時、「ブラジルからの応援の気持ちが日本に届けば」と語っている。 リオ・グランデ・ド・スル州大水害では、被害地域のポルトアレグレ市で活動を行う日系福祉団体「南日伯援護協会」の施設が壊滅的な被害を受けた。その他同地域では多くの被害が発生し、日本政府は浄水器75個の緊急援助を決定、日系社会ではブラジル日本文化福祉協会ほか日系6団体が支援物資寄付キャンペーン「SOS SUL」を組織し、同地の復興活動を支援するなどした。