【阪神】藤川監督の理想像は坂本龍馬?板垣退助?「自由もこの球団に必要」短パン解禁など
阪神藤川球児監督(44)が新年に向けた取材に応じ、地元高知出身の偉人・坂本龍馬を理想の指揮官像にあげた。球団創設90周年という歴史を受け継ぎながら、時代に合わせた変化も積極的に取り入れるつもりだ。【取材・構成=磯綾乃】 ◇ ◇ ◇ 阪神は今年、球団創設90周年を迎える。節目に携わる役目も、藤川新監督に気負いはない。 「いや、100年に向けてです。100周年に向けて進んでいく1歩ずつという意味なので、自分がどうこうというのは、何にもないですね」 あくまでも長い猛虎の歴史の中の1ページ。指揮官としての理想像は歴史上の人物に例えた。 「僕はもう偉人と言えば、坂本龍馬さん。船中八策(※1)とか、いろいろ調べてもいいだろうと思いましたけど。岡田顧問の後でやるので、なんといっても求心力。人の心をどうやったら導けるのか。できあがっているチームを壊すのも一瞬。そう考えると、やっぱり龍馬かなと」 歴史好きな指揮官にとって、地元高知出身の偉人は特別。坂本龍馬は幕末に活躍し、時代を切り開いた。 「いかにうまく立ち回るか。最後にゴールに向かえるか。チームが上であればいいので、僕は全然下がっていて構わない。というのが龍馬っぽいじゃないですか(笑い)」 1つの目標へチームをまとめ、黄金時代を目指す。そしてもう1人、自由を象徴する偉人の名前を挙げた。 「自由民権運動(※2)の板垣退助さんもいます。老舗球団なので、自由もこの球団に確かに必要です。広島カープが短パンを取り入れたり。選手からの要望があるけれども、うちはまだ取り入れていなくて。なかなか難しいところがあったけど、そこは板垣退助の力を借りようかなと(笑い)」 酷暑の影響もあり、巨人やDeNAが短パン姿での練習を解禁。広島も今季から導入する方向だ。伝統を大切にしながら、時代に合わせた改革もいとわない考えを示した。 「ちゃんと理論を説明して。例えば短パン、Tシャツがなぜいいかとか。Tシャツだとマイナス5度体感が違うとか。今スーツじゃなくなった会社も出てきたし。そのあたりは、いろんなことを取り入れながらやりたいと思います」 歴史を受け継ぎながら、新たな常勝タイガースを作り上げる。託された使命も感じている。 「監督として、しっかりタイガースの看板を守りながら強くして。選手たちが競い合う中で、歴史に名が残るようになっていってもらったり、相手を倒す選手としてのメンタリティーを持ってもらう。そのサポートをする。僕がプレーをできるわけじゃないんでね」 自らも代名詞「火の玉ストレート」を武器に、阪神の歴史に名を刻んだ。今度はチームを率いる立場から、名だたる選手たちを育て上げる。 (※1)坂本龍馬が起草したとされる新国家体制に対する提案書。船の中で考えた8つの案として「船中八策」と呼ばれる。 (※2)国会創設などを訴え、明治時代に行われた政治、社会運動。板垣退助は自由民権運動の中心人物。