ドリブルの立教。サッカーか。いえ、ラグビー。95年前に旋風を起こした。
9月29日。立教は帝京大学へ挑み、筑波は青山学院大学とぶつかる。これらもまた「ひとつだけのゲーム」である。某君には学生王座や日本代表への通り道かもしれない。だが、別の某君にとっては一生の記憶ともなる。大学ラグビーの妙味だ。
冒頭の1929年度。立教と明治は熱戦を展開する。「明大は慶應を六対三、早大を五対零で破つて、覇権我が手にありという惜しいところで立教に十対六で打棄りを喰つた」(『日本ラグビー物語』)。打棄り=うっちゃり。「立教の吉田が見事なドロップゴールを決めて、とゞめを刺した劇的な試合であった」(同)。DGは1947年以前は4点。立教ー慶應はドローなので6-6のままなら明治が笑った。
セントポール立教の後進よ。全国大学選手権出場をかける大一番に狙ってみませんか。地面に球を落とし、はねたところを足の甲やサイドでとらえる95年前と同じ種類のキックを。サインのコールは「イチキューニーキュー」で。
藤島 大