<春に駆ける’23センバツ専大松戸>第4部・戦力分析/下 投手陣、上位進出の鍵 接戦の勝利支える堅守 /千葉
接戦に持ち込み、最少得点差で勝つ――。専大松戸が得意とする勝ちパターンを支えるのが投手陣だ。今季は豪速球を投げる本格派から、変化球でかわす技巧派まで左右さまざまなタイプがそろった。彼らの踏ん張りがセンバツでの上位進出の鍵となりそうだ。 軸は背番号1を背負う平野大地(2年)。中学時代のポジションは捕手だったが、高校入学後に投手に転向すると、2年足らずで最速151キロを誇る速球派へと飛躍した。 最大の武器は打者の内角を突く直球だ。本人も「真っすぐには自信がある」と自負している。秋の公式戦は、けがの影響で万全の状態ではなかったものの、先発やリリーフとして5試合に登板し、31奪三振を記録した。「上半身に頼り過ぎていたことがけがにつながった」との反省から、今冬は徹底した走り込みで下半身を強化。甲子園では更に成長した姿を見ることができそうだ。 平野が不在だった秋の県大会の序盤で存在感を示したのが青野流果(同)だ。平野とはタイプが異なり、スライダーと抜群の制球力で勝負する。大事な試合で先発を任されることもあり、関東大会1回戦では完封勝利でベンチの期待に応えた。 登板した6試合で与えた四死球はわずかに六つ。持丸修一監督も「3ボール2ストライクからでも四球を出さない」と評価する。 ひときわ大きな体格で目を引くのが左腕の渡辺翼(同)。187センチの長身を生かし、大きく縦に割れるカーブで打者を翻弄(ほんろう)する。一方、直球は最速133キロと決して速くない。本人も球速が課題だと感じているようで、「センバツまでに135キロまで上げたい」と話す。 秋の公式戦では、12試合で9失策と堅い守備が投手陣をもり立てた。ただ、県大会準決勝では守備の乱れから終盤に追いつかれるなど、課題も残った。 チームは1月下旬から、ランナーを置いた実戦形式の練習で守りの強化に力を入れている。持丸監督は「投手を中心に4点以内に抑え、5点取って勝ちたい」との青写真を描く。【近森歌音】 ……………………………………………………………………………………………………… ◇秋の公式戦の投手成績 学年 試合数 回数 被安打 奪三振 暴投 四死球 自責点 防御率 平野大地 (2) 5 32回1/3 26 31 1 15 7 1.95 青野流果 (2) 6 27回2/3 22 18 0 6 3 0.98 渡辺翼 (2) 5 14回2/3 13 7 0 11 5 3.07 梅沢翔大 (1) 2 10回2/3 8 5 0 2 3 2.53 数井秀雅 (1) 3 7回1/3 8 8 0 2 5 6.14 林将斗 (1) 3 10回1/3 8 4 0 2 1 0.87 ※学校の提出 資料より