定時は18時なのに、いつも「19時」まで残業。上司から「1時間くらいなら申告しないで」と言われましたが、これって違法ですよね?
会社員として仕事をしていると、定時を過ぎても業務が終わらず残業になることもあるでしょう。そんな際に、上司から「残業を申告するな」と言われたら、タダ働きではないのか? と会社に不満を持つ人が多いでしょう。 本記事では、このような上司からの指示が法に抵触する可能性があることを説明し、どのように対処すべきかについて解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
1時間の残業でも未払いなら違法
労働基準法では、休憩時間を除いて1日8時間・週40時間を超えて働いた場合は、超えた部分に対して25%の割増賃金を支払わなければならないと規定しています。9時から18時までが定時で、1時間の休憩がある場合、18時以降の残業は割増賃金の対象です。 つまり、18時以降に1分でも働いた場合は、会社は残業代を支払わなければならないのです。しかし、上司に意見しにくかったり、意見を口にしづらい風土が常態化していたりすると、ブラック企業なのでは? と不信感を持つこともあるでしょう。 ■ブラック企業にあたる可能性がある 厚生労働省はブラック企業を明確に定義していませんが、一般的には以下のような特徴があると指摘しています。 ・ 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す ・ 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い ・ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う 本事案のケースは、2つ目の「賃金不払残業が横行する」という意味合いで、ブラック企業の特徴に当てはまるといえるでしょう。 ■働き方改革による影響もある 2019年から順次施行された働き方改革関連法により、残業時間の管理を徹底する会社が増えたことが、サービス残業の増加につながっているケースもあるようです。 株式会社エクスクリエが運営するメディア「robamimi」が2022年12月に実施した働き方に関するアンケートによると、働き方改革が「申請できないサービス残業の増加」につながったかどうかについて、「そう思う」「ややそう思う」と回答した人が全体の45.2%に達しました。 会社が働き方改革を進めるため、残業時間を制限したり、タイムカードによる管理を徹底したりすることで、残業の申請がしづらくなっているケースがあると考えられます。 業務量は変わらず人員は増えないことから、サービス残業をせざるを得ない状況に陥っているのかもしれません。