「苦しんできたことが最後に生きた」石川遼が粘り腰でツアー通算19勝目! 自身のゴルフに新たな手応え
悪い流れを断ち切った集中力
◆国内男子プロゴルフ<ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 6月20~23日 西那須野カントリー倶楽部(栃木県) 7036ヤード・パー72> 【写真】これが石川遼の最新14本だ!! ドライバーには見慣れないシャフトが…!?(2024年6月)
国内男子ツアー第9戦「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」は、一時5人が首位に並ぶ大混戦となったが、石川遼が終盤に抜け出し、通算21アンダーで逃げ切った。2年ぶりの今季ツアー初優勝はツアー通算19勝目となった。1打差の2位には21歳の金子駆大が入った。
大会実行委員長として、予選ラウンドではピンマイクを付け、キャディーとのやりとりを公開しながらラウンドした石川。最終日は首位と2打差の通算17アンダーでスタートすると、スコアを4つ伸ばし、見事逆転。通算21アンダーで今季初勝利、ツアー通算19勝目を飾ったが、サンデーバックナインには、石川らしいゴルフの内容がぎっしりと詰まっていた。 まずは、10番パー4で見せた深いラフからの第2打だ。ボールが完全に埋まっていたにもかかわらず、ピン左上1.7メートルにつけるスーパーショットを披露。ところが、「タッチが弱かった」ことでそのバーディーパットを外してしまう。続く右ドッグレッグの11番パー5では、3番ウッドで右の林越えを狙ったものの、失敗してロストボールに。なんとかボギーで収めて首位タイに留まってはいたが、試合の流れ的には最悪だった。 「ただ、その2ホールがあったからこそ、残りのホールでは集中力を高め、淡々とプレーすることができました」と振り返る。13番、14番ホールで連続バーディーを奪っても厳しい表情を変えることはなかった。さらに、残り3ホールで1打を争う展開になっていることを知ると、ゴルフ脳をフル稼働させてギアを上げていく。 16番パー5では「絶対にボギーを打たないマネジメントを考えました」と、あえて第2打を7番アイアンで刻み、ピンまで25ヤードの距離を残す。そこから58度で2.3メートルにつけると、ジャストタッチで決めてみせた。会心のバーディーに思わず右こぶしを振り下ろした。 石川の勢いは止まらない。続く17番パー3ではピッチングウェッジで放ったティーショットをピン手前50センチにつけ、2位以下に2打のリード。迎えた最終ホールは3番ユーティリティー→アプローチウェッジ→サンドウェッジという、左サイドに広がる池を絶対に避けるマネジメントで3オン。3メートルのパーパットを外したものの、1打差で逃げ切った。