障害者グループホーム「恵」 愛知の5か所で最も重い行政処分「指定取り消し」
実際に提供されていたという夕食。 これにご飯とみそ汁が付き、おかずには量が多く見えるように盛り付けでごまかすこともあったといいます。 県などによると、食材費を過大に徴収していた額は県内26の施設で総額約2億1800万円。
お金にまつわる問題はこれだけではありませんでした。 元職員によると、自治体から給付される額が多い重度の障害者を積極的に受け入れるよう指示があったといいます。 「恵」元職員(去年12月取材): 「(給付額がより少ない)区分2とか3とかの方がいると、一、二度言われたことあるのは、区分2なんか早く追い出せよと。いまとなっては、もうけのためと見えなくはないので…」 利用者を選別し、”もうけ”優先の経営をしていたともとれる「恵」。
こうした運営の仕方について専門家は。 愛知淑徳大学福祉貢献学部 瀧 誠 教授: 「十分な支援ができず不十分な状態で利用者が困る状態になっていたと思うので、利用者自身が不安定になったりして、リスクも高かっただろうなと予想できます」
今後はどうなるのか。「恵」の元職員に話を聞くと。 「恵」元職員: 「一番ダメージを受けるのは利用者だったり、現場で働いていた職員たちだと思うので、処分に安心っていう感情はない」 行政処分を受けた施設で働く職員から5月に会社の対応への不安な声を聞いたといいます。 「恵」元職員: 「この場所は守られるんだろうか。利用者は大丈夫なのか。自分たち(職員)は大丈夫なんだろうか。なんの説明もないし、この先が分からない不安を皆さん持っているという話は聞きました」
障害者支援に関わる東海地方の3団体にも、利用者の家族などから「わが家の生活は、息子のホーム利用により救われています。ホームがなくなったら、と思うと不安」など、161件の相談が寄せられているということです。 利用者の今後について県は、転居を調整する相談員を配置。 また、県内すべてのグループホームの空き状況を調査し、市町村などに情報を提供。空いているグループホームに積極的な受け入れを依頼していくとしています。 「恵」は中京テレビの取材に対し、「本日の処分を受け止め、真摯に対応していく。今後の対応については検討段階」としています。