「余命2週間」から寛解…レモネードで小児がん患者支援する中学2年の少女「1人でも多くの子に日常を」
小児がんやその患者を支援しようと、レモネードの売上を病院などに寄付する「レモネードスタンド」の活動が広がっている。一時は余命2週間と診断された14歳の少女も闘病生活を乗り越え、同じ病と闘う子供たちのために「恩返し」を始めた。 【画像で見る】「余命2週間」から寛解…レモネードで小児がん患者支援する中学2年の少女「1人でも多くの子に日常を」
■闘病生活を経験…14歳少女が小児がん支援
2024年11月10日、愛知県西尾市で開かれた祭り会場の一角で、ほんのり甘いレモネードが販売されていた。「こっちゃんのレモネードスタンド」だ。 “こっちゃん”とは蒲郡市に住む中学2年生、尾崎このかさん(14)のこと。このかさんは小児がんを経験した「がんサバイバー」で、治療薬などの開発を支援するため月に1~2回、イベント会場などでレモネードを販売し、売上を病院に寄付している。 尾崎このかさん: 合併症とかになっちゃって、亡くなっちゃった友達がいたんですけど、少しでもそういう子がいなくなるといいなって。 「レモネードスタンド」はアメリカで小児がん患者の少女が、同じ病気の子供を支援しようと始めたといわれている。 小児がんは日本でも1年間に2000人から2500人が発症するとされているが、成人のがんに比べて治療や研究は、まだまだ遅れているのが現状だ。
■頭蓋骨の右半分を失う…小学6年の“余命2週間”の宣告
このかさんは、両親と姉、妹の5人家族だ。 ちょっと恥ずかしがり屋だけど活発な女の子、趣味のヒップホップダンスは保育園の時から続けている。 しかし2年前、小学6年の時、病魔がこのかさんを襲った。2022年8月、頭の右側にピンポン玉ほどの腫瘍が見つかった。 腫瘍は日に日に大きくなり脳を圧迫したため、緊急手術を行い、頭蓋骨の右半分を失った。 正式な病名が分からないまま2カ月後には腫瘍が全身に転移し、抗がん剤治療で髪は抜け、食欲もなくなった。 このかさん: 痛み止め飲んでも治らないし、何をしていても痛かったから結構辛かった。あんまりちゃんと寝られなかった。 発症から5カ月、このかさんの腫瘍は乳幼児の眼球にできるがん「網膜芽細胞腫」(もうまくがさいぼうしゅ)によく似ていることがわかった。世界的にも珍しいケースだった。 このかさんの「がん」はこの時既に、ステージ4まで進行していて、医師からは「余命2週間」と宣告された。 このかさんの母: 薬の効果が無くて、がん細胞がどんどん成長しちゃって、その後の治療もないということで緩和ケアに入ったんですね。 生存率はわずか10%だったという。