「余命2週間」から寛解…レモネードで小児がん患者支援する中学2年の少女「1人でも多くの子に日常を」
■「家族が励ましてくれたから」…必死の支えで“寛解”に
それでもこのかさんは弱音を吐かなかった。 このかさんの母: 髪の毛抜けちゃうってため息ついたら「落ち込まないでよ、髪の毛が抜けるのはそれだけ薬が効いているんだからいいことなんだよ」って言われて「あ、そうだね」って私の方が。 このかさん: 家族とかお母さんが、何かあってもずっと支えていると励ましてくれていたから。 母親は仕事をやめ、病院に泊まり込んで、このかさんに寄り添い、主治医もあらゆる症例を探し、ついに、このかさんにあった抗がん剤が見つかった。 1年半にわたる闘病の末、腫瘍はすべてなくなり、治療が必要ない「寛解」の状態になった。
■周囲の人々に支えられ…戻ってきた“日常”
2024年4月、中学2年生になったこのかさんは、再び学校に元気に通えるようになった。 しかし体育の授業では、人工の頭蓋骨が入っていて衝撃を受けると危険なため、球技のときは見学するなど、できないこともある。 聴覚にも障害が残り、チャイムも苦手だ。 抗がん剤治療の後遺症に加え、再発のリスクもあるが、学校生活で困ったときは友達がサポートしてくれる。 学校では、保健室に行きやすいように席を教室の一番後ろにする配慮や、友達も廊下を走ってぶつからないように注意をしてくれているという。
■小児がんの子供に日常に戻したい…レモネードスタンドで目指す未来
「多くの人に支えられてきた、恩返しをしたい。」そう考えるようになったこのかさんは、2024年3月、「こっちゃんのレモネードスタンド」を始めた。 1本200円でレモネードを販売し、仕入れ値を除いた利益を小児がんの研究などに活かしてほしいと、自分も入院していた藤田医科大学病院などに寄付している。 また、レモネードスタンドは、小児がん患者の親子が訪れて情報交換をするなど、孤独になりがちな家族の交流の場にもなっている。 11月に西尾市で行われた「きらまつり」でも、このかさんの姉が通う高校のブースを借りてレモネードスタンドを出店した。 いつしか、このかさんの周りには笑顔があふれていた。 この日も小児がんを経験した男の子が訪れていた。1人でも多くの命を救いたい、挑戦はまだ始まったばかりだ。 このかさんの母: 小児がんになっても大丈夫、完治できる病気になってくれれば、そんなうれしいことはないし、このかがつなげていく役目なのかなって思うので、これからも続けていきたいなと思います。 売上は2日間で、およそ5万5千円となった。このかさんは病院で闘病を続ける小児がんの子供たちに、クリスマスプレゼントを届けるつもりだ。 このかさん: 1人でも多くの子を日常生活に戻していけたり、笑顔とかをレモネードスタンドでつくれたらいいなと思います。 2024年11月21日放送 (東海テレビ)
東海テレビ