【韓国ドラマ】ノスタルジックな映像美で描く'70年代の初恋物語は必見!
日本における韓流ブームの立役者で韓流エンタメのスペシャリストである田代親世さんが、韓国ドラマの魅力をさまざまな切り口でご紹介!今回は、家族模様を描くことが多い韓国ドラマの中から、主人公の“親たち”に注目。主人公の家族としての描かれ方ではなく、親たち自身の青春にスポットをあてた作品をセレクト。 【韓国ドラマの名作】親たち自身の青春ドラマ3選【写真】
映像美とともに紡ぐ'70年代&現代の初恋物語 『ラブレイン』
このドラマは、まるで一編の詩のように美しい映像が紡ぎ出す'70年代の親たちの世代の初恋と、その子供世代の現代の恋という、2つの時代を背景にそれぞれの恋を対比させながら繰り広げられる瑞々しいラブストーリーです。 実を結ぶことなく、生き別れてしまった親たちの初恋。その初恋の思い出を胸に秘めているせいで父親が母親に愛情をかけなかったのを見て育った息子。母親が初恋の思い出を大切にしている姿を好ましく思って、いつか自分もそんな恋に出会いたいと思っている娘……という風に、昔の初恋が子供たちにも影響を及ぼしていく過程が描かれますが、親同士が32年ぶりに再会して思いを募らせていく過程もしっかり描かれ、この熟年カップルのしっとりした雰囲気が見る者を惹きつけます。
ユン監督の描く世界は、純粋で一幅の絵のような美しい映像を画面に映し出すことに定評があります。序盤の'70年代の映像美は特にノスタルジックで、主人公の好きだと言いだせない切ない想いを雨の音が代弁しているように思えるほど、映像がポエムのようでした。そんな映像に乗せて親の時代の恋心は奥ゆかしく、好きな女性の姿を見ただけで胸を高鳴らせる純情さが際立って、余韻を残します。 2世代にわたる恋の行方は切なくもあり、愛らしくもありますが、同時に、あまりにも強烈な初恋に捉われてしまったがために、30年も孤独に生きてしまった男の人生を思うと、初恋という呪縛の恐ろしさも感じてしまいます。チャン・グンソクとユナが、純情な親世代と今どきの子供世代の2役を演じているので、1つのドラマの中で、2人の真逆の両面が見られるのも嬉しいところです。 ■ラブレイン<完全版>コンパクトDVD-BOX 好評発売中。発売元:「ラブレイン」製作委員会 ■各配信サイトにて配信中 TEXT BY CHIKAYO TASHIRO 田代親世 韓流ナビゲーター 韓流解説、韓流イベント司会の第一人者。公式サイト「田代親世の韓国エンタメナビゲート」やYoutube「ちかちゃんねる☆韓流本舗」「韓ドラ・マスター親世と尚子の感想語り」などで韓流情報を発信しているほか、会員制のコミュニティ【韓流ライフナビ】を主宰。ツアーやイベントを企画・開催している。