谷川俊太郎さんの少年詩つなぐ詩画展 鎌倉の出版社で
鎌倉の出版社「銀の鈴社」(鎌倉市雪ノ下)が運営するギャラリーで現在、同社が4月に刊行した谷川俊太郎さんの自選詩集『そして』の刊行記念詩画展が開催されている。 子どもにも分かる言葉で書かれた少年詩を集めた同社の「ジュニアポエム」シリーズ2作目の谷川さんの作品となる同作は、1作目の『地球へのピクニック』(1980年)以降に出版されている谷川さんの詩集から、一冊一篇ずつセレクトしたもの。谷川さんの希望で作画を務めた下田昌克さんが、バラバラの29篇の詩を「僕の絵でつなげちゃおう」と、全てのページに線でつながった絵を描いている。
会場では、下田さんが打ち合わせ時に描いたものやラフスケッチ、原画と共に、作中の詩画の一部を展示。打ち合わせ時のものがそのまま採用された画や、最初のスケッチが実際に採用したものと大きく異るものなど、さまざまなパターンがあり、制作時の思考が垣間見られる。芳名帳と共に置かれたノートには、来場者が線でつなげた絵と言葉がびっしり書かれている。
1986年に創立した銀の鈴社は、2009年に鎌倉に移転。元下駄屋だった築89年の古民家に「銀の鈴ギャラリー」を併設し、個展やグループ展、出版刊行記念展などを行っている。7月23日~8月2日には、塗り替え前のギャラリーの壁を開放する毎年恒例の「らくがきアート」も。 『そして』刊行記念詩画展は7月3日まで。開廊時間は10時~17時。入場無料。 (齊藤真菜)