村上総務相が知事会への“年収の壁反対申し入れ”を否定 「全国知事会とは日頃から意見交換している」
村上総務相が11月15日の閣議後会見で、全国の知事たちとの関係性を問われ「全国知事会とは日頃から意見交換をしている」と発言しました。 今、総務省と全国知事会の関係が注目されています。きっかけとなったのは、国民民主党の玉木代表が13日、TOKYO MX『堀潤 Live Junction』に出演した際、「年収の壁」を巡る総務省と全国知事会の動きを明かしたことです。 玉木代表は番組の中で「今、一生懸命、総務省から全国知事会や各自治体の首長に対し、工作をやっている。工作というのは『こういう発言をしてくれ』『こういう減収があるからやめてくれ』ということを、村上大臣自身から知事会の会長などに連絡をして、発言要領まで作って。そういうことをするのは、私はいかがなものかと思う。国が一生懸命、総務省が一生懸命工作するのはやめてもらいたい」と発言しました。 玉木代表が話した、総務相による各知事への申し入れはあったのでしょうか。この日の会見でTOKYO MXの記者が総務相に問いました。 記者が「国民民主党の玉木代表が『今、総務省が全国の知事にレクをして回っている。工作をしている』というような発言があったが、総務省としてそういうことをしているのか」と問うと、村上総務相は「いや、そういうことはしていないと思う。全国知事会とは地方税制などについて日頃から意見交換をしている。その一環として、事務方から基礎控除の制度概要などについて説明を行ったと聞いている」と答えました。なおも、記者が「一般論として、政党の政策に反対するような働きかけを総務省が自治体に対して行うことがあるのか」と尋ねると、村上大臣は「最初の記者会見でも申し上げたが、今は政党間の協議を見守っている。そういうことは一切考えていないし、やってもいない」と答えました。さらに「大臣として把握していないのか、それとも総務省全体として働きかけを行っていないのか」聞くと、村上大臣は「私も把握していないし、私は総務省を信じているから、ないと思う」と述べました。「番組内で玉木代表が総務省が工作をしていると発言したが」と質問を重ねると、村上大臣は「総務省事務方が各県知事の発言要領を作成して発言を依頼しているという事実、私はこの発言要領について見たこともないし、依頼したことも全然ないので、なぜ玉木さんがこういうことをおっしゃったのか、私は残念ながら理解できない」と述べました。 また、村上大臣は全国知事会の村井会長に対して「年収の壁」の見直しを巡り「知事会として反対意見を言ってほしい」と働きかけたという、堀潤が入手した情報についても否定しました。TOKYO MX記者が「実際に大臣からこういった働きかけがあったのか」とただすと、村上大臣は「村井会長に発言の依頼を行った事実は全くありません」と述べ、発言を依頼した事実は全くないと否定しました。ただ、その一方で、総務省と全国知事会の間で地方税制などについて日頃から意見交換を行っていると説明しましたと述べ、番組が総務省の担当者に確認してみると「地方税制について話をする機会がございます。先週だったと思うが『基礎控除という仕組みがあります』『給与所得控除という仕組みがあります』『今、基礎控除の引き上げの議論があるが、それが行われた場合にどういう減収が生じるか』、そういったことは情報提供させていただいた」と回答しました。では“反対するよう働きかけた”かどうかを聞いてみると「そういう働きかけをするという事実について承知しておりませんし、各自治体の課題として発言をなさっていると思う。総務省から『こういう発言をしてくれ』というようなことを言う立場に総務省はないと考えている」と述べました。 一方、全国知事会の常任委員会のメンバーでもある東京都の小池知事に総務省から“働きかけ”があったのかどうか、この日の定例会見でTOKYO MXの記者が問うと、小池知事は「この間、私は(海外出張で)留守でございました。総務省がそういうノーティス(通達)を出されるのはたびたびあることではないか。地方自治をよく考える必要があるかと思います」と述べました。