JR東海×「ラブライブ!」キャンペーン積極企画 コロナ禍契機に「推し旅」展開
JR東海が、沼津市が舞台の人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」との連動キャンペーンを相次いで打ち出している。同社は新型コロナウイルス禍で落ちた需要回復に向け、これまで抑制的だったアニメなどとの共同企画を展開。「ラブライブ!」関連は地元の強い協力もあり、ヒット企画に育っている。 「コロナ禍で社内の空気が変わった」。作品のファンで企画の〝仕掛け人〟の一人、同社営業本部需要創出グループの出川ゆかりさん(38)は振り返る。コロナ禍の当時、東海道新幹線の利用客が減り、ビジネス利用はコロナ禍前には戻りきらないと想定した。需要を埋めるため、積極的に喚起してこなかったアニメの聖地巡りや音楽コンサートなど比較的短距離のレジャーを「推し旅」と位置づけ、新規客の掘り起こしに着手。共同企画の一環として「『ラブライブ!サンシャイン!!』沼津ゲキ推しキャンペーン!」を昨年3月から始めた。 同年11月までアニメの舞台となった市内の内浦地区を巡るスタンプラリーなどを展開。出川さんは「後発だったが、ファンが温かく受け入れてくれた。地元の方も既に作品のパワーを知っていて、快く協力してくれた」と感謝する。沼津駅では、小宮山学駅長を筆頭に〝ラブライバー〟の駅員が企画を発案。キャンペーン期間外もキャラクターの誕生日に電光案内板に祝福メッセージを流すなど、舞台の玄関口を演出する。 第2弾のキャンペーンは今月22日から9月16日まで。駅のホームで声優による案内放送が聞けるほか、ウオークイベント、AR(拡張現実)ラリーを企画する。出川さんは「作品同様、息の長い企画に」と期待する。
静岡新聞社