単にコースが広いから……でF1やGTを開催できるワケじゃない! サーキットには「公認」と「グレード」が存在した
F1はどこでも開催できるわけじゃない!
レースや走行会が行われているサーキット。 F1やスーパーGT、スーパーフォーミュラを開催する本格的なサーキットから、走行会や草レース専門のミニサーキットまでいろいろあるが、ミニサーキットとそれ以外のサーキットといった分類以外に、じつはもっと厳密な格付けがある。 【画像】市販車最速やFF最速などが競われる世界一過酷なサーキット もっともわかりやすいのは、JAFの公認サーキット。 公認レース競技に使用されるサーキットは、FIAまたはJAFの公認が必要で、FIAにより公認されたサーキットを「国際公認サーキット」、JAFにより公認されたサーキットを「国内公認サーキット」という。 国際公認サーキットでは、国際格式以下の公認レース競技を開催することが可能で、国内公認サーキットでは、国内格式以下の公認レース競技を開催することができる。 このうち、日本でJAFの公認を受けているサーキットは、13カ所。 ・十勝インターナショナルスピードウェイ ・SUGOインターナショナルレーシングコース ・エビスサーキット ・モビリティリゾートもてぎ ・筑波サーキット ・袖ヶ浦フォレスト・レースウェイ ・富士スピードウェイ ・スパ西浦モーターパーク ・鈴鹿サーキット ・セントラルサーキット ・岡山国際サーキット ・阿讃サーキット ・オートポリスインターナショナルレーシングコース このなかで、FIAから国際公認サーキットとして認められているのは、 十勝(国際公認 Grade2) SUGO(国際公認 Grade2) もてぎ(国際公認 Grade2) 富士(国際公認 Grade1) 鈴鹿(国際公認 Grade1) 岡山(国際公認 Grade2) オートポリス(国際公認 Grade2) の7カ所のみ。
グレードで設備なども異なる
リストのなかでも、鈴鹿と富士だけが「グレード1」になっていることに注目。 「グレード1」は、サーキットの規模や安全対策(医務室やヘリポートも)、ピットやコントロールタワーなどの付帯設備などが、FIAの厳しい基準をクリアしている証で、最高峰のレース、F1グランプリを開催するには、この「グレード1」の公認が必要。 F1開催といえば、過去に岡山国際(当時はTI)でも開催されたことがあったのに、岡山国際は「グレード1」ではないの? と思うかもしれないが、FIAの公認グレードは、一度認められればOKというものではなく、3年に一度はFIAの査察をクリアする必要があり、公認料も支払わなければならないので、F1を開催せず、スーパーフォーミュラやスーパーGTなど、国内のビッグレースまでしか考えなければ、「グレード2」でも十分条件を満たしているので、わざわざ「グレード1」を申請することはない。 ちなみに同じフォーミュラでもF3まで、あるいはグループA・グループNのレースなら、「グレード4」のコースでも開催可能だ。 サーキットのグレードは、レイアウトの面白さ、攻略の難しさ、観戦のしやすさといったものに直結した格付けではないが、その規模、安全性、スピードレンジの高さの目安にはなる。 自分で走る場合、まずはミニサーキットでデビューし、経験を積んで、徐々に大きなサーキット、スピードレンジの高いサーキットに移行していき、やがてF1も開催できる鈴鹿や富士を攻めていけるように……、というステップがいいだろう。
藤田竜太