「ブラック企業勤めももう限界…!みんなに暴露したい」そう思ったときに考えておくべきこととは
自分の職場はブラック企業なのではないかと感じたら、つい現状を、SNSや動画投稿サイトなどで拡散したくなる人もいるでしょう。特に有名な動画投稿サイトでは、ブラック企業に勤めている人や勤めた経験のある人が、不満を抱いている企業の暴露をする内容の動画が人気を集めています。 しかし、たとえ職場がブラック企業だと思っても、不特定多数の相手へ「~社はブラック企業である」といった内容を広めることは、状況によっては犯罪になるおそれがあります。 今回は、SNSや動画投稿サイトなどで、社名を挙げたうえでブラック企業であることを投稿する行為のリスクや、ブラック企業を訴えたいときの適切な相談先について解説します。
ブラック企業であることをSNSや動画投稿サイトでさらすとどうなる?
SNSや動画投稿サイトでは、「○○会社はブラックだ」「××会社はパワハラが横行している」などと、ブラック企業の実態を暴露する内容が投稿されています。 しかし、ブラック企業であることを社名とともにインターネット上で投稿することは、非常に大きなリスクが伴います。場合によっては、ブラック企業であることを名指しで非難した企業から、名誉毀損(めいよきそん)や業務妨害で訴えられる可能性もあるでしょう。 ■名誉毀損 名誉毀損は、公然と事実を指摘して、指摘された相手の名誉を傷つけた場合に該当します。指摘した内容が本当に事実であるか否かは問われません。 例えば「A社は従業員に対して残業代を支払っていない」と、SNSなどで拡散した場合、たとえ事実だったとしても、名誉毀損で訴えられるリスクがあります。 ブラック企業の名指し批判も同様で、パワハラや残業が事実だったとしても、伝え方によっては名誉毀損になるおそれがあるため、注意が必要です。 名誉毀損に当たる場合は、3年以下の懲役か禁固刑、もしくは50万円以下の罰金が科されます。なお「その目的が専ら公益を図ることにあった」ときに限り、特例として罰せられることはありません。 ブラック企業の細かな実態を述べて、注意を喚起する内容だった場合は、名誉毀損に問われない場合があります。 ■業務妨害 業務妨害とは、事実とは異なるうわさなどを広めて、広められた人の信用を傷つけたり、業務に支障をきたすような状態にしたりすることです。実際はブラック企業ではないにもかかわらず、ブラック企業であると広めることで、業務妨害として相手の企業から訴えられるおそれがあります。 例えばブラック企業として訴えている内容が、思い込みなどで事実と異なる場合は、業務妨害に当たる可能性が高いでしょう。 業務妨害に問われた場合は、3年以下の懲役か、50万円以下の罰金が科されます。